また他にもショートスリーパーの父子ペアにおいて、睡眠・覚醒のサイクル調節に関わる遺伝子「NPSR1」に変異が起きていることも発見されています(NIH, 2014)。
これらの結果から、ショートスリーパーの人たちは特定の遺伝子変異を持つことで、生まれつき短い時間でも高い質の睡眠を取れるようになったと考えられるのです。
そのため、医学的な見解では、普通の人が無理にショートスリーパーになろうとするのは危険であり、たとえ睡眠時間の大幅な短縮に成功しても、それはショートスリーパーの遺伝的素質を元から持っていた可能性が高いからだと考えられます。
ショートスリーパーに憧れて、日々の睡眠時間を1〜2時間削ったとしても、起きている時間に眠気やだるさを感じてしまっては元も子もありませんし、心身の疾患を発症するリスクも高めてしまうだけです。
もしショートスリーパーに挑戦してみて全然合わなければ、1日6時間以上の睡眠は確保した上で、起きている時間の使い方を工夫した方がよいでしょう。
全ての画像を見る
参考文献
The ones who need little sleep
https://knowablemagazine.org/content/article/mind/2024/genetics-of-people-who-need-little-sleep
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部