バブル崩壊後を「失われた〇年」という表現をします。私も確かにそういわせて頂きました。ただ、実は得るものもあったのです。それはお金では得られない価値観です。私のようにカナダと日本を年に4回ほどコンスタントに行き来していると人の価値観の違いを感じるのです。
端的に言うと北米はかつて運動会でやった人間ピラミッド(組体操)のように人と人が上下の関係なのです。なので下の者が押しつぶされれる前に少しでも上に行こうと努力します。一方、日本は横一線で飛び出す者も少ない感じ。また、ゆとり教育時代とは違い、皆がそれぞれに個性を持ち合わせている感じです。
ひたすらお金持ちになりたい人はそれを目指せばよいでしょう。ただし、事業経営者として申し上げれば事業で成功する人はお金儲けをしたいからではありません。その商品なりサービスを多くの人に紹介し、提供したいという愛がビジネスを成功させるのです。お金は後からついてくるものです。
お金、お金という人をたまにお見掛けします。そういう方を英語でgreedy(貪欲)と言います。そういう人とは価値観の相違を感じます。この人はお金以外に信じるものがない不幸な方なのかもしれない、と。
人はどうしてお金持ちになりたいのだろう、という命題に対して私はこう答えます。お金持ちになりたいと思わせられているだけですよ、と。老後が心配でいくら必要という話とは切り離すべきです。メディアが「数千万円入りますよ」というのは一般論であって個別で見れば1億円必要な人もいれば今の年金だけでやっていける人もいるのです。まずは自分の価値観に見合ったお金との付き合い方を考えたい、これがお金の哲学じゃないでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年12月22日の記事より転載させていただきました。