12/20(金)に論壇チャンネル「ことのは」で、細谷雄一先生との対談の後半が公開されました。前半は以下(参照用の年表もあり)から飛べるとおり無料公開でしたが、後半は有料会員限定で、リンクはこちら。

2022年の2月にロシアが侵攻して始まり、このまま続けばまもなく4年目に入ってしまうウクライナ戦争。「途中でやめる停戦の機会はなかったのか?」が、ずばり後半のテーマです。

一時は「停戦を勧めるのは親露派!」に染まった日本のSNSも、いまや様変わりが激しいようで……(ちなみにこの理屈、「話しあいを勧めるのも二次加害!」と同じですね)。

左右とも12月16日

分岐点として、議論で採り上げるのは22年3月29日からトルコのイスタンブルで開かれた和平交渉。ロシア軍はキーウ攻略に失敗し撤退を始め、戦況がウクライナに有利なタイミングでした。

戦史として定評のある小泉悠氏の『ウクライナ戦争』(22年12月刊)でも、このとき高まった和平の機運はこう描かれています。

重要なのはロシア側がこれ〔和平案〕を一概に否定しなかったことである。ロシアの交渉団を率いるウラジミール・メディンスキー大統領補佐官はウクライナ側の提案を「検討する」と述べ、本国へ持ち帰る意向を示した。

……ウクライナの示した合意案には「中立化」の文言はあっても、「非武装化」は含まれていなかったことも注目に値しよう。〔ウクライナ側の団長の〕アラハミヤは、ウクライナは非武装中立になるのではなく、イスラエルやスイスのように独自の軍隊と動員予備力を持った重武装中立国を目指すと強調しており、仮にロシアがこの点を呑むならば、やはり一定の進展と見なすことができたはずである。