伝統的な教えでは、イエスの十字架の死は「神の計画の一部」とされているが、イエスは当初、地上で神の王国を実現することを目的としていたが、宗教指導者や民衆がこれを拒絶したために、十字架の道を選ばざるを得なくなったのではないか。すなわち、イエスの十字架は、次善の選択肢だったのではないか。

神が遣わしたイエスは33歳で十字架で殺害された。イエスは本来の使命を果たすことが出来ずに終わった。その結果、イエスは十字架を受け入れ、再臨を約束したのではないか。この考えは、「イエスが十字架で死ぬために生まれたのではなく、生きて人類を救済するために来た」という観点に基づいている。そのような観点から、「イエスを十字架から降ろすべきだ]という主張が出てくるわけだ。

ちなみに、当方は7年前、「イエスを十字架から降ろそう!」(2017年12月14日参考)というコラムの中で、「悪魔はイエスが十字架から解放され、再臨してその使命を果たすことを阻止するために彼を十字架に縛り、十字架信仰を構築してきたのではないか。イエスを祭壇の十字架から降ろすべきだ」と書いた。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年12月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。