彼の生き方は多くのヒンドゥー教徒の尊敬を集め、しばしばインド中から教徒たちが彼の元を訪れ、祝福や導きを求めてきました。

そのためか、シヤラム・ババは教徒たちから膨大な額の寄付金を受けたのですが、彼は命を繋げるだけのわずかな食糧を買うこと以外にはお金を使わず、残りはすべて寄付に回したのです。

そして彼の実際の年齢は188歳ではなく、110〜120歳が正しいとされていますが、実は調べてみると、この情報も正しくはありませんでした。

というのも「シヤラム・ババは最近、94歳で亡くなった」とするニュースが報じられたからです。

先日「94歳で亡くなった」と報道される

タイムズ・オブ・インディアによると、シヤラム・ババは12月11日(水)の午前6時10分に肺炎のため亡くなったと伝えられています。

彼の葬儀も先日執り行われ、多くの教徒たちが訪れました。

こちらが葬儀の一部を撮影したニュース映像です。

(※ 音量にご注意ください。ニュースタイトルには「110歳」とありますが、説明文には「94歳で亡くなった」とあり、こちらが正しい情報と見られる)

また報道によると、シヤラム・ババの亡骸は最後のダルシャンのために保管されたと述べられています。

ダルシャンとは、ヒンドゥー教において「聖人との謁見」を意味する宗教用語であり、聖人に会うこと、そして足に触れることで徳を積もうとすることを指します。

シヤラム・ババはまさに、日本の仏教でいう「即身仏(そくしんぶつ)」のような存在となったのです。

ここまで述べてきたシヤラム・ババの信心深く、質素で厳しい生活は、即身仏になるための修行と非常に近似していました。

「即身仏とは?」生きながら自らをミイラにするための修行

即身仏とは主に、日本の仏教に見られる僧侶のミイラのことを指す言葉です。

即身仏の歴史は古く、疫病や飢饉に苦しむ人々を救うために、僧侶が自らの意思で自らの肉体を生きながらミイラ化し、死してなお衆生の救済を祈り続ける生き仏になるという目的がありました。