D. 西原一丁目公園のトイレ
甲州街道を西に進み、幡代バス停のあたりにある遊歩道にあるのが西原一丁目公園のトイレです。大きな通りから一本中に入った場所で夜は人通りも少なく、以前は暗くてとても入りいトイレだったそうです。
明るく開放的なトイレで公園全体を明るくすることをコンセプトにこのトイレがデザインされました。中に入るとゆるやかな光が注いで表にある木々の影を映し出しています。居心地がよくてつい長居してしまいそうになります。
E. 七号通り公園トイレ甲州街道を幡ヶ谷駅まで進んで街道の北に渡ります。街の小さな公園にあるインパクトの強い白いドーム型の建物。これが七号通り公園トイレです。
このトイレ、なんとトイレに手を触れることなく使用できる画期的なトイレです。公衆トイレを使う人の多くがレバーを足で踏んで流したり、お尻でドアを開けるなど極力手を使わないようにしているという実態を踏まえて考え出されたそう。
道路の裏手にある入口にはこんな画面があります。
スマートフォンでQRコードを読み取って「入室」ボタンを押すとドアが開きます。画期的!
トイレの中にはマイクがあって、「Hi Toilet! 水を出して」というと蛇口の水が流れ、「水を止めて」というと水が止まります。声が小さいと「もう一度はっきりと言ってください」と言ったり反応しません。大きい声で言うと外に声が漏れてそうでちょっと恥ずかしい…。
それでは、蛇口の水を流してみましょう。
あれれれれ~?おかしーなー。いろいろ試したんですが誤った聞き取りが多い気がしました。
まだ開発途上ではありますが新鮮な体験をしたと思いました。もっと精度が上がってくれば今後手を使わないでいいトイレが増えていくのかもしれません。
F. 幡ヶ谷公衆トイレ最後に訪ねたのは幡ヶ谷第三公園の脇の笹塚出張所交差点にあるトイレ。5メートルもある高い天井と広い間口が印象的です。
手前と奥の正面、奥の右手の三か所にトイレがありますが、パット見ただけではトイレとは思わずイベントスペースのようです。それもそのはずでこのトイレのコンセプトは「…With Toilet」。常にともにあるトイレを目指し、イベントやギャラリーとしても活用できるスペースとして中央空間を設けました。こちらも夜は街灯代わりとなって町を明るく照らします。
おわりに今回は6つのアートトイレを巡り歩きました。どれもいかにみんなが使いやすいトイレにできるか、いかに町になじむか、いかに町を明るくするか考え抜いてデザインされた秀作だと感じました。
トイレを見て歩くだけでもこんなに楽しい散歩ができます。みなさんも渋谷のトイレ散歩、トライしてみてはいかがでしょうか。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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