そしてまた新設禁止、新しく置くのを禁止といった意味で言えば、ロンドン、そして国としてこの規制をしていくといった動きをとっているような国もありまして、これはドイツが2024年からまきストーブを国として規制をしていく。そんな流れがこの世界にあるということを、まず分かっていただきたいと思っております。
その上で、もちろん日本の国としても、こうした問題に対して、もちろん県としても対処はしていくものと思われますが、この葉山という地域性、やはり都内に住んでいた方が、僕も都内からここに移住をしてきたんですけれども、やはりまきストーブに憧れて来る方、中にはいらっしゃると思います。優雅な暮らしをして、その中でまきストーブをたきながら、そんな生活を夢見て来る方々もいらっしゃると思います。
そのこと自体を否定するものではありませんが、しかしこうした世の中の流れがある以上、町としても早急に、早い段階でこの問題に対しては取り組んでいかなければいけないのではないかと私は考えております。
実際にWHOは2015年にこのまきストーブに対して初めて言及をしております。まきストーブから排出される粒子状物質や一酸化炭素、すすやメタン、アルデヒド、揮発性の有機物、こうしたものは住宅街において多くの人が吸引を余儀なくされるという中にあって、小型の木材燃焼器具の危険性に対して危惧をした、そんなメッセージがWHOから2015年に出されております。
というように、世界で見てもこのまきストーブ問題は大きな課題になっております。確かに国内では前例はないかもしれませんが、この地域性だからこそ、まずは葉山町が全国に先駆けて、一気に規制をするという段取りはなかなか難しいかもしれませんが、まず一歩一歩、具体的な案を出していきながら、その対策を講じていく必要があるのではないかと私は考えております。
そして、ちょっと具体的な話をさせていただきたいと思いますが。先ほどもほかの議員から説明にありましたが、実際にこのまきストーブの煙、具体的にはその煙に含まれる成分が問題だということなんですけれども、排気浄化装置というものがございます。煙突から排気される煙の中に含まれるような、そういった害のある物質を除去できるような、後付けで設置できるようなものが民間からも開発され、徐々に普及されているといった現状もございます。
私のまず一歩目、リアルな感覚の提案としましては、いきなり全て禁止というのはなかなか難しいと思いますので、まずはこの民間業者が作っているような排気浄化装置、こうしたものを導入を推進するような働きかけであったり、もしくは補助金等を活用しながら、こうしたものを使っていただくようなお願い、そうしたものをしていくということがまず一歩目として問われていると思います。
こうした私の考えに対して、町の考え、町長の御意見を伺いたいと思います。
◎ 町長(山梨崇仁君) 午前中に星議員のお話の中でも、先ほど前段で申し上げましたけれども、確かにまきストーブに、扱いについてはですね、煙の問題、また広範な臭いの問題等について、御意見があることは十分承知してございますので、課題として捉えているところはございます。
ただ、御指摘の頂いた資料がですね、どのような場所でどのような計測されたのか、またPM2.5がですね、全てまきストーブの責任だという論調に今なっているかと思いますけども、私どもこれがどのような原因なのか、そもそも今、中国大陸、アジア大陸からの黄砂という問題もありますので、そういったことも含めてPM2.5対策として取り組まなければいけないのか、慎重に検討してまいりたいなというふうに思って感じてございます。
なお、所管につきましては、神奈川県環境課、環境農政局環境課における大気汚染対応のですね、チームがございます。専門家もいらっしゃいますので、そういったところに御相談をぜひしてまいりたいなというふうに思っております。
◆ 1番(三浦大輝君) 御答弁ありがとうございます。このデータの妥当性だとか、そういった観点はもちろんあるかと思いますので、実際にこうしたデータをとっていらっしゃる方もおりますし、またこのデータが全てということではなくて、ほかにも違った角度から検証したデータ等もございます。
今日はちょっと時間の関係で全ては持ち合わせておりませんが、改めてそういった情報を共有させていただきながら、町としてどのような対応がとれるかということを一緒になって進めていければと考えております。
実際にこの葉山町において、まきストーブで言えば、ざっくりなんですが、180軒ほど設置をしている家があるというふうに町民の有志の方の調査で確認をされております。かなり多くの方がこのストーブを利用されていることもありますので、まずは町の課題として認識をしていただいて、具体的な対応を願いたいと思います。
こちらのページ、御覧になっていただくと今、僕のほうでこちら、排気浄化装置の義務化というようなところであったり、補助金の活用といったお話をさせていただきましたけれども、ほかにもバイオエタノール暖炉であったりだとか、あとはこれはやり方の問題ですけれども、許可付、許可制もしくは登録制のような形で実際にどこがまきストーブを設置しているのかというのをしっかりと行政としても把握をしていく。そんなこともいずれかの段階においては必要になってくると思いますので、こちらに書かせていただいております。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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