本稿では、神奈川県葉山町議会にあって「令和5年度第2回定例会」が2023年6月に開会された折の、薪ストーブ問題に関する部分の議事録を事実として記録しておく。
最初に星加代子議員、次に三浦大輝議員の二名が、町議会議員として薪ストーブ(の煤煙悪臭迷惑)問題に初めて言及したことは前稿で述べたとおりであるが、その記録である。(2023年6月26日)
本稿では筆者は注釈を加えないので、そのままお読みいただき、この問題を考えて頂きたい。 なお、本質問に使用された「空気質測定データ」や「欧米諸国の状況」は筆者が二議員に対し一部分を提供させていただいたものである。
転載にあたっては筆者が葉山町議会事務局より使用許諾を得て該当部分を抜粋したものであり、無断転載を禁ずる。 使用許可は神奈川県葉山町議会事務局に直接求めて頂きたい。
ついでながら付属情報として、葉山町議会では引き続き薪ストーブ問題は提起されており、千葉県船橋市にあっても薪ストーブ問題が共産党議員によって提起されたという情報も得ている。
一般質問と町長・消防長・環境部長の答弁 星加代子議員◆ 2番(星加代子君) そして、最後の質問になります。もう今6月も終わりになりまして、まきストーブを使っている方、ほとんどいらっしゃらないかと思いますが、葉山で煙突があるお宅、たくさん見受けられます。その中で、近隣の方のまきストーブの煙害に悩んでいるという町民の方のお声を頂きました。
調べましたところ、イギリス、英国のガーディアン紙によると、ロンドンの新築及び改装済みの建物では、まきストーブの使用が事実上禁止されている。市長が発表した新たな計画指針では、そういった住宅やオフィスの開発に対する大気汚染制限が制定されていて、木材やその他固形燃料のバーナー、ストーブが設置されていると、この制限が満たされない。条件が満たされないということで、事実上禁止という制限が持たれているそうです。
また、同じくイギリス名門のインペリアルカレッジでも、まきストーブによる空気汚染について研究を始めていると記事で見ました。葉山とても…まきストーブ使いたくて葉山に引っ越して来たという方も恐らくいらっしゃると思います。また、広報でも注意喚起などをしていることは承知しておりますが、ただ実際に健康被害が起きていることもいるということなので、まきストーブを設置している住宅の数の把握、また空気調査を行っていただけないかということをお伺いいたします。
◎ 環境部長(新倉利勝君) やはり御迷惑をかけている部分というのは、やっぱり御近所であるかと思います。そういった声が昨年度ですかね。2件ほど苦情がございました。今、議員申し上げました調査ですか。何件やってるかとか。そういったものは、我々環境課では把握してないところでございますが、その必要性とか、今後もし出てくるのであればそういったこともあり得ますけども、今のところは調査っていう部分については、考えていないところでございます。
◆ 2番(星加代子君) なるほど。このまきストーブですね。煙の問題もそうなんですけれども、消防的には安全性は大丈夫なんでしょうか。すみません、消防長お伺いいたします。
◎ 消防長(伊藤義紀君) お尋ねいただいております例えば煙害のですね、苦情は、私ども消防のほうには令和5年の今現在と、令和4年度には入っておりません。
あと、火災予防条例のほうでですね、例えばストーブ本体の設置にかかる距離ですね。壁からの距離です。それから、煙突がですね、壁や屋根を貫通する部分の構造。遮熱効果があるような眼鏡石で煙突を囲うとか。それから煙突の長さですとか、隣家の窓からは煙突を3メーター以上離すとか、そういうものにつきましては、火災予防条例のほうで規定がされております。
ただ、私どもの条例のほうで、設置に伴う届け出の義務、それから消防が行う検査はございません。しかしながら、建築確認申請時にストーブの設置が計画されている場合は、建築主事のですね、確認が必要となるということでございます。
◆2番(星加代子君) ありがとうございます。勉強になります。この間のニュースで、バーベキューをしていたときに、アルコールを吹きかけて生徒が、学生がやけどをして亡くなった方がいたというニュースを見ました。まきストーブを使う方、きっときちんと使い方も守って、そんなアルコールを吹きかけたりするようなことはないかと思いますけれども、やっぱり火を扱うものって、そういった危険が伴うと思います。
また、バーベキューは昼間だったり夜だったりってしますけども、まきストーブって何日も燃やし続けたりすることもあって、想定外のことが起こる可能性もあると思い、私はちょっと心配をしております。引き続き、これについては私も勉強してまいりますが、いろいろ教えていただきながら、検討していただきたいと思います。お願いいたします。
◎ 町長(山梨崇仁君) まきストーブにつきましては、かねてよりですね、先ほど環境部長のほうでは数件のというふうにりましたけれども、広く冬の時期に応じてはですね、様々議論を呼んでいることは十分承知をしております。直接的に煙の害もありますし、臭いとしてですね、広範で今日の葉山はどうも臭うねということは、私もかねがね聞いておりまして、議論検討したことがございます。
先ほど待寺議員のですね、ときに、ブリケットまきの情報がありましたので御提案されるのかと思ったんですけれども。またですね、ブリケットまきのような加工したまきを使うこと。また、ペレットストーブのようにですね、まき本体ではありませんが、これも加工したタブレットを使ってですね、ペレットを使って、タブレット状のものなんですけれども、そういったものを利用したまきはどうだろうかということをですね、私たちも研究はしてございます。
ただ、まきストーブ、直接的な規制、制限等がなかなかしにくいことから、どのようにそういうものを利用することで、煙や臭いが出ないものに変えていっていただけるような政策誘導ができるのか、そこの最後の1点がですね、どうしても止まってしまっておりますので、何かそういった点においてですね、御意見やですね、御見識頂けたら大変ありがたいなというふうに思ってございます。
そういったものについて、今あるものを変えるというのはなかなか難しいんですが、できればこちらを使ってくださいというような政策誘導等はできると思います。ただ、コストの問題もあってですね、利用される方にとっては負担もありますので、その辺が負担にもならない形で、皆さんがまきストーブ…炎を見ながら、そういった観賞的なもの、また気候変動の時代ですね、とてもいい熱源ともなっていることは承知してございますので、いい利用ができるように、促進できる方策をこれからも研究してまいりたいと思っております。