(1)選び出した項目をチャンク化する 「チャンク化」とは、情報を、ひとかたまりとして捉えるということです。こうすることで、本の内容を覚えやすく、また人に伝えやすくもなります。
例えば、読んでいる投資の本に「株価に連動して価格が変動するインデックスファンドは、ハイリターンはのぞめないがリスクも低い」「世界の株式価格は、短期的な視点では上下の値動きが激しいが、数十年単位の長期で見ると、着実に上昇している」というふたつの項目があったとします。これをチャンク化すると、「世界の株式価格は長期的には上昇しており、これに連動するインデックスファンドも、長期で見れば、ローリスクでリターンを増やせる」ということになります。
このように複数の要素をまとめることで、内容はより簡潔に、理解しやすくなります。
(2)本を知人に紹介するときに、どのように説明するか考える 読書で大切なのは、インプットだけでなく、その本で学んだことをアウトプットすることです。そしてアウトプットにはいろいろな方法がありますが、本の内容を人に説明するというのも、ひとつの方法です。
そこで、その本の中から印象に残っている部分を3つ人に説明するとしたら、何を選ぶかという視点で考えてみてください。著者の主張と自分の考えが食い違うような場合でも、「著者の主張はこっちだと思うけど、自分にはこれの方が大切に思えた」という話ができれば十分です。そう考えれば、要約読みのハードルはだいぶ下がるのではないでしょうか。
ぜひ自分に合った方法で、この「4ステップ読書法」を取り入れてみてください。きっと「読んだ本が自分の血肉になっている」ということを体感できるはずです。
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金川 顕教(かながわ・あきのり) 公認会計士・税理士 公認会計士、税理士、『YouTube図書館』運営、作家。 三重県生まれ、立命館大学卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループでの勤務を経て独立。現在、会社7社のオーナー業の傍ら、起業家育成プロデュース、出版プロデュースを行い、1人でも多くの人に読書の大切さを伝えるため、『YouTube図書館』の運営及び執筆活動を開始。『YouTube図書館』では、毎日更新、年間365本の書籍解説動画をアップし、これまでに解説した書籍は1,640冊以上、チャンネル登録者は132,329人、動画再生数は2,656万回を突破(2023年1月現在)。執筆活動では、ビジネス書、自己啓発書、小説など多岐にわたるジャンルでベストセラーを連発し、累計部数は55万部以上。
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年5月10日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。