チップとデールのように、リスは愛らしい生き物の代表として語られることが多いです。
彼らは主に木の実や果実を食べる草食性で、どんぐりを口いっぱいに頬張るキュートな姿が有名でしょう。
ところがリスには、私たちの知らない血生臭い一面があったようなのです。
このほど、米カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)の最新研究で、ネズミを狩って食べる「肉食性のリス」が同国で初めて確認されました。
確かにリスは時々、昆虫やトカゲを食べることで知られますが、同じげっ歯類のネズミを捕食した記録は極めて稀であると考えられています。
研究の詳細は2024年12月18日付で科学雑誌『Journal of Ethology』に掲載されました。
目次
- ネズミを捕食する「肉食リス」をカリフォルニアで初発見
- なぜ急にネズミを食べ始めたのか?
ネズミを捕食する「肉食リス」をカリフォルニアで初発見
今回、肉食行動が確認されたのは、米カリフォルニア州に生息する「カリフォルニアジリス(学名:Otospermophilus beecheyi)」です。
カリフォルニアジリスは他のリスと同様に、木の実や種子、果実などを主食とする草食性であることが知られていました。
そんな中、研究主任の一人であるソニア・ワイルド(Sonja Wild)氏は、フィールドワークから戻ってきた学生たちが「リスがネズミを食べているのを見た」との報告を受けます。
ワイルド氏は学生の話を聞いて「いや、何を言っているのかわからない」と言ったそうです。
というのも、ワイルド氏はそれ以前に何百匹という野生のリスを観察してきましたが、一度たりともリスがネズミを捕食する光景は見たことがなかったからです。
しかしそこは学生の方も抜かりありません。
彼らはちゃんと証拠となる映像をカメラに記録していたのです。