GEMの魅力!ここを見て
いよいよ館内へ!10万点の展示物の中からピックアップしてご紹介いたします。
ラムセス2世像
<館内に入って1番最初の見どころです。この像の前で記念撮影をする人が多いので、シャッターチャンスはほんの数秒!>
83t、高さ14mのこの巨大なラムセス2世像は、紀元前1213年に建造されました。1820年、イタリア人の学者によって6つに割れた状態で発見されてからは時間をかけて修復作業が行われ、現在の姿となりました。
エジプトに来ると、至る所でこのラムセス2世像を見かけますが、このように現状の保存状態がよく、独立(背中が壁にくっついていたりせず背後からも人の形として認識できる)しているラムセス2世像はここでしか見られないのではないでしょうか。
前面ばかりに目が行きますが、背中部分には綺麗にカルトゥーシュが残っていてとても綺麗です。このラムセス2世像は、ラムセス駅前広場(現カイロ駅前)に設置されていたことで有名ですが、2006年にGEMへの設置が決まってからは、良好な保存状態を保つためにギザの保管庫で保管されていました。
なにかと移動の多いラムセス2世像ですが、昨年2023年に4度目の引越しを経て無事GEMへと設置されました。
「博物館」の文字
<また日本語を発見。館内のゲートを通り、一番手前の階段の壁>
この場所はあまり人がおらず、かつ遺物の近くに寄れるので写真撮影にも最適です。この先にもいくつか日本語が彫られた壁があります。いくつ見つけられるか遊び心を持ちながら巡っていきましょう。
日本語タイトルの付けられた展示品
<「階段は立派な展示エリアです」とも言わんばかりの展示数>
3階の展示室へと続く一番奥の階段エリアにも重要な遺物が置かれています。こちらは全て複数の言語でのタイトル表記があり、日本語タイトルが一番上に来ています。
<サフラー王の石柱とまぐさ石 ヒエログリフもしっかり残っています>
展示室内へ!洗練された展示方法
2万平方メートルを超える展示室内は先史時代から始まり、奥に行くほど新時代になるように展示されています。同じ時代の中でも「Society(社会)」「Kingship(王権)」「Beliefs(信仰)」に分かれているので、初心者でも理解しやすいのではないでしょうか。
<雰囲気のある展示室内>
<先史時代エリアに展示されている壁画>
日本人の専門家が修復に携わっているそう。修復時の塗り直しはしておらず、描かれた当時のままの色彩です。
<ひざまずくハトシェプスト女王>
ひざまずく王家の像は比較的ポピュラーだが、等身大以上の像を作ったのはハトシェプスト女王の彫刻家たちが初めてだといわれています。ハトシェプスト女王といえば、有名な神殿(葬祭殿)がルクソールにありますね。
<アメンホテプ3世のセド祭(王位更新祭)の儀式の一部始終が描かれている石>
アメンホテプ3世は、2020年に彼の時代の古代都市「アテンの日の出」が発見されたことにより注目を集めています。非常に発展していた栄華な都市で、彼が統治した時代は38年と長かったことからも繁栄していたことが窺い知れます。
「最期は歯槽膿漏で亡くなった」という逸話を聞いたことがある方もいるのではなでしょうか。この巨大な壁画をGEMまで運搬したのが、日本を代表する運送会社、日本通運さんです。
棺の変化に注目しよう
エジプトに観光に訪れると、たくさんのミイラや棺を目の当たりにするかと思います。時代ごとに素材や棺に記される内容が変化しており、面白いです。
<保存状態の良いミイラ型の石棺。前面にのみ絵とヒエログリフによる碑文が刻まれています。左のヘケヌトの石棺の胸部に彫られた絵は、墓のベッドに横たわる女性がオリシス神と同一視されている様子が描かれています。>
<腕の形まで綺麗に彫られています。こちらは全体に隈なく絵と碑文が彫られていますね。どうやらワンシーンの描写ではなさそう>
<長方形の木館。素材は木材が主流になってきたのでしょうか>
<紀元前10世紀から8世紀にかけての木館 掘るだけでなく、漆喰や顔料で色付けされている点が文明の進化を感じさせてくれます>
いかがでしょう。10万点に及ぶ展示品のごく一部をご紹介させていただきました。博物館内は個人での見学の他、外部ツアーに参加して訪れることも可能です。
エジプトでも着々と旅行会社の準備が進んでいるので、そのうち日本語ガイドさんも出てくるのではと勝手ながらに思っております。オフィシャルツアーに参加した感想ですが、比較的日本人には聞き取りやすい英語だったかと思います。
やはりガイドさんの説明を聞きながら見ると、興味深い発見が多くありました。お時間がある方は是非ガイドをつけて回ることをお勧めします。
お子様連れ、高齢者にも優しいGEM
弱者に優しい国と言われるエジプト。館内ユニバーサルデザイン設計となっており、どなたも快適に利用することができます。お手洗いも車椅子やベビーカーでも広々使える個室トイレがあり、清掃も行き届いていました。
地上階から展示室まで運んでくれるスロープ式エスカレーター/エレベーター
<階段を登る必要はありません。車椅子やベビーカーの方も安心>
Children Museum
<地上階からワンフロア上がったところにあります。>
興味があったのですが、筆者が訪れたのが金曜日であったため閉まっていました。金曜以外は毎日空いているそうです。金曜日の正午に1週間で一番大事なお祈りがあるので、空いているだろうという目論見が裏目に出てしましました。。。(ローカルな場所など、金曜日は閉店のお店も多いです)
「Children Museum」にご興味のある方は金曜以外に行かれることをおすすめします。内部は子どもが楽しみながら古代エジプトを学べる空間となっているそうです。
<公式サイトより引用>
エジプトは非常に親日国です。GEMでなくても言えることなのですが、日本人(特に女性と子ども)はことあるごとにエジプト人から写真撮影をお願いされます。
気が向いた時に一緒に撮ってあげるのもよし、嫌な時ははっきり断っても大丈夫です。一度撮ってあげると次から次へと寄ってくるので注意が必要です。