1. 結語

    真鍋淑郎の気候モデル(1967,1975)に基づくCO2温暖化説は、優れた気象学者R. Newellの理論的否定によって、科学としては1979年に終わりました。

    CO2温暖化説は1979年に終わっていた

従って、IPCC派学者たちが宣伝する「CO2脅威幻想」に基づいた「脱炭素」は全く不要であり、日本経済を支える自動車、電力、鉄鋼、セメントなどの産業に甚大な経済的損失を与えています。

特にEV化は中国EVの台頭を招き、550万人を雇用して日本経済を「1本足」で支えてきた日本自動車産業を苦境に追い込んでいます。仲間内の「シミュレーションごっこ」でCO2の脅威を煽る彼らの社会的責任は極めて重大と言えましょう。

COP28で岸田首相は「CO2排出抑制策の無い石炭火力発電所は新設しない」と表明しましたが、狭い地震多発国日本では廃棄物問題に目途がつかない原発よりも石炭火力が適しています。また自然環境を破壊し、出力不安定なのでバックアップ火力が必要な再エネよりも石炭火力は有利です。

著者の自宅から1時間程歩くとJ-POWERの磯子火力発電所がありますが、ここはBBCが「世界で最もクリーンな石炭火力発電所」とお墨付きを与えました。こうした日本の優れた石炭火力発電技術を世界に輸出することで、日本経済復活のきっかけが掴めるでしょう。

注1)

1985年に発表された大部のDOE報告書(Lawrence Livermore国立研究所編) DOE Report: PROJECTING THE CLIMATIC EFECTS OF INCREASING CARBON DIOXIDE (1985)

1990年に発表されたR. Newellの友人の気象学者H. W. Ellsaesserの論文 W. Ellsaesser, A different view of the climatic effect of CO2-Updated*, Atmosfera (1990), 3, pp. 3-29.

エントロピー学会編『原発廃炉に向けてー福島原発同時多発事故の原因と影響を総合的に考える』(日本評論社、2011、157-171頁) 室田武「原発廃炉の経済学―危険な低炭素言説の歴史的起源からの考察」

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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