ロシア・ウクライナ戦争は、2024年でも終結の兆しがみられない。両国はドローン(無人機)による攻撃を激化させている。

ドローン攻撃の応酬が続くハイテク戦

 2023年12月17日、ウクライナ空軍は、ロシアから飛来したドローン20機と巡航ミサイル1発を破壊したと発表した。しかし、オデーサ州上空からの破片によって住宅火災が発生し、1人が死亡したという。一方、ロシア国防省は、リペツク州やボルゴグラード州、ロストフ州の上空でウクライナが発射したドローン35機を撃墜したとSNSで発表した。

 ドローン攻撃の応酬が続く中、ウクライナもロシアも自国が有利になるよう、ハイテク戦の技術を向上させている。

 ウクライナ保安庁サイバー部門には、ハッカーと特殊部隊のスキルを組み合わせたチームが存在する。このチームはスナイパーとともに行動し、ロシアのシステムに入り込んで暗躍する。ドローンが収拾した情報などを、人工知能(AI)を用いた映像認識システムで分析し、軍に標的の情報を提供する。こうしたドローンを操作するため、サイバーチームは前線の近くへ赴かなければならず、作戦は危険と隣り合わせだ。

 ロシアもサイバーチームの一部を前線に近づけているという。軍との通信を高速化し、押収したウクライナの機器などに素早く直接アクセスするためだ。ウクライナへのサイバー攻撃も続いている。