■令和2年第2回定例会-06月04日-02号

◆ 2番(中村和雄君):もう数年前になるんですけども、藻谷浩介さんという人がですね、「里山資本主義」という本を出してるんですよね。もう大分前なので、ちょっと細かいことは覚えてないんですけども、1つだけ強く記憶に残ったことがあります。

それはですね、製材の過程で発生する木くず、これをペレット状にして燃料にしてるという話なんですけども。岡山県の業者だったと記憶してますけども、共感したのはですね、中東に流れていたお金が地域で回るようになったと。石油、灯油を使ってると、中東、産油地にみんな行っちゃいます、お金が、我々の稼いだお金が。だけども、地元の木を使って、それを燃料にすることによって、その燃料代がですね、国外に出て行かないで自分の地域で回っていくという話です。

こういうですね、私たちが稼いだお金が地域に回っていくと、こういう経済はですね、災害が起こったとき、強い経済であるかなと。その、日常だけじゃなくて、事が起こったときに、こういう地元で回る経済ができている。そうすると、それは非常な力になるだろうと思います。

全て地域でお金が回るわけじゃないんですけども、こういう視点で行政を進めていくと、何年か先に必ず何か変わってくるんじゃないかと。社協と連携した地域の問題も含めて、基礎自治体として働き方の工夫次第でもっと住みよい町になるだろうと思います。こういうですね、視点から、ピンチをチャンスに変えていかないか。町長、いかがでしょうか。

◎ 町長(山梨崇仁君):今、ペレットのお話をされておりまして、例えばの話でペレットですけども、例えばまきストーブかペレットストーブかと言われると、逗子市さんはどちらかというとまきを応援ですけども、葉山町はペレットを応援するということを、以前計画したことがありました。

実際に町の業者さんで、ペレットストーブを推進している業者さんがいらっしゃいまして、具体に申し上げてしまうと、この二子山の木をですね、切り出して、林業の活性化を図れないかという計画でして、私も非常に賛同したかったところにはありますが、中でいろいろ事情があってですね、今なかなか難しいということで、止まっている状況にあります。

おっしゃるように、地域の産業として活性化させて、域内で経済が回るというのは、私も理想でもありながら、葉山では可能性が十分にあるということで、あらゆる面において期待をしているところです。例えば台風19号や15号の際に、まだ補修が終えてない御自宅もたくさんありますけども、町の工業関係が活躍をしてくださっております。

【筆者注釈】

移住者でもある山梨崇仁は葉山の森林を切って燃やすことに賛意を示す。薪ストーブ・ペレットストーブ関連業者との密接な関係を表明。

これが山梨が薪ストーブを擁護し煙害を無視し、対策対処を執拗に回避している真の事情である。

ちなみに逗子市で薪ストーブを応援しているのは、市長の桐ケ谷覚は工務店を経営し、薪ストーブを推奨施工していること、逗子市内在住の神奈川県議会議員である近藤大輔も薪ストーブ使用者であること、という事情は判明している。

なお付け加えるが近藤の事務所は時代に逆行し紫煙たなびく喫煙所状態であり、煙害問題•煙の迷惑については彼の頭では到底理解不能であることは明白であると共に、来訪者を迎える姿勢にも疑問を感じる。

薪の供給に関し、林業が廃絶した葉山町内で薪ストーブ・暖炉・薪竈・炭焼竈で燃やされる木材には、薪としての目的で切り出された地元の木材ではなく多くが域外遠方からの持ち込みであろう。

薪は山梨県や長野県など、或いはペレットは北米産など、もはや前提だったはずの地産地消は消え去っている。

そして実際に町内では本来産業廃棄物であった建築廃材や粗悪な造園伐採木などが薪として供給されている実態を、葉山町は知らないのだろうか。

特に廃材は薬剤含侵があり、薪ストーブであれドラム缶焼却であれ、有害物質の排出量が多くなる上に、そもそも焼却禁止のはずである。

中村和雄も他の議員や町長と同じく、カーボンニュートラルの欺瞞についての科学的知見が無いことを指摘しておく。

皆で懐古趣味に浸って木材燃焼を行えば、葉山町の山林は数年で禿山になり、同時進行で煤煙大気汚染地帯に落ちぶれることもわからないのだろうか。

彼の発言もまた、過去の公害史を忘却した単なる高齢者のノスタルジーである。 それに、町内の製材で出た木屑の量などたかが知れている。燃料供給というレベルにはならない。趣味の焚火程度にしかならないだろう。

木材と化石燃料ではエネルギー密度に雲泥の差が有り、化石燃料と同じ熱量を得るのに数倍以上の木材を要し、化石燃料に比して木材燃焼は二酸化炭素や大気汚染物質の排出量も5倍以上であるが、その程度の知見も無いのだろうか。

それであれば町内全ての廃木材を全回収し、排気処理装置を装備した火力発電所で混焼したほうがよほど「エコ」で社会・皆のためになるのだが。

この町の町長や議員は、なぜ狭い領域でしか、ものを考えることができないのだろうか。雀の涙程度の木材燃料供給で地域経済活性化になど、なる訳がない。今は江戸時代ではない。

付け加えるが域内経済の件、町長や各議員は、葉山町住民は意外にも町外の大規模店で買い物をしていることは把握できているのだろうか。

筆者はもう長い間、町内の個人商店で買い物をしたことが皆無である。個人商店は定価販売、品揃えが少ない、ワンストップにならないので消費者には全くメリットが無い。

域内経済を言うならその辺りの調査を真面目に実施すべきだろうと提案しておく。

■令和2年第3回定例会-10月14日-06号

◆ 4番(山田由美君):ペレットやチップを作ることについては、これで利益を上げるというよりは、エネルギーとして使えるものを無駄にしたくないという気持ちでございますので、希望する方にただで好きなだけ持って帰っていただくということであれば、品質の安定ということはそれほど考えなくてもよろしいのではないでしょうか。町内で、まきストーブなどを利用なさってる御家庭もあると思いますし、住宅密集地でまきストーブとか暖炉とかいうのは難しいと思いますが、家と家の間隔が離れているとか、市街化調整区域であるとかいうので、暖炉が使えるのであれば、町民の方に町内で出た剪定枝、もしチップとして、燃料として利用できるのであれば、どうぞお持ち帰りくださいということで、クリーンセンターの一角にそういう機械を設置するということは、これから計画に入れていただけないものでしょうか。

◎ 町長(山梨崇仁君):その視点も若干持ったことはあるんですけども、それを専門に検討されている方がですね、町内にいらっしゃいまして、その方はたしか新潟のほうから買い入れてるという話も受けた上でですね、見ていただいたんですけども、町のそのものでは、木材が少ないんですね。なので、物もあっても枝で細いことからですね、これは難しいというふうに、業者さんとしてもそれが難しいと判断されてしまいましたので、なおさら町直営でやるのは難しいんだなというふうに今は考えているところです。

◆ 4番(山田由美君):はい、分かりました。いろいろ難しい問題があると思いますので、引き続き検討、研究をしていただければと思います。

【筆者注釈】

山田由美も単なる個人的ノスタルジーに基づく木材燃焼暖房を妄想しているだけとしか見えない。 実際に市街化調整区域であっても薪ストーブ問題は既に悪化しているが、現状認識もせず不見識なこと甚だしい言説である。

ペレットやチップ化には動力が必要であり、遠方から運搬することも同様にその時点ですでに炭素中立ではない上に、クリーンエネルギーではないことは、検討するまでもなく科学リテラシーがあれば簡単に判るはずなのだが。

更には、利益でなく「気持ち」でやるなら個人でやればよいこと。薪ストーブやペレットストーブ、暖炉など個人の趣味的行為に関連し行政が出費するなど公私混同も甚だしい。そもそも発想が浅く貧困すぎる。

残念だが・・・

これは山梨崇仁町長と(一部を除き)葉山町議会議員全般に言えることだが、基本的な科学的知識が無いこと、欧米諸国における環境対策への知見がほぼ無いこと、数量的把握や根拠提示もなく単純な感情やイメージでものを言っていることなどが各答弁から簡易に読み取れる。

さらに言えば、住環境での公害に関する認識や知見が皆無であること、自分たちの欲望や趣味を最優先していることも読み取れる。

町長・町職員・(一部を除き)議員はこの程度の議論しかできないのだろうかと、唖然としながら過去の議事録を読んでいる。

「物性物理学的•費用対効果の思考不能」 「各分野の専門知識が無い」 「弱者救済の精神が欠落」 「前例がないのでやりたくない」 「個人の趣味嗜好や思いを優先する」

という点が彼らの欠点である。

恣意的な山梨町政

今般施行される葉山町長選挙にあたっての山梨崇仁の公約は、文字数は多いが中身が実に薄く、美辞麗句だけで全く軽薄である。

そして今までもお友達で山梨個人の趣味嗜好を追い求めているだけであり、エシカルやウェルビーイングなど横文字を並べて「自己満足」に浸っているだけである。

「山梨崇仁体制」下の「エシカルと環境の町」は、三浦半島随一の大気汚染も停止することすらできず、住環境問題を調査する気も皆無で結局は口先だけであった。

もちろん山梨の脳内には海のことしか無く、公約にも「空気質•大気汚染•住環境保全•公害対策」の文言は今に至るまで皆無であり、山梨が環境問題を語る資格は無い。

編集部より:この記事は青山翠氏のブログ「湘南に、きれいな青空を返して!」2023年12月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「湘南に、きれいな青空を返して!」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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