そんなベッカムのフリーキックは、数々の名場面を生み出し、サッカー史にその名を刻んだ。特に2001年のFIFAワールドカップ(W杯)欧州予選、ギリシャ戦での劇的な同点弾は象徴的だ。試合終了間際に放たれた約25メートルのフリーキックは、美しいカーブを描きゴールネットを揺らし、イングランド代表を本大会出場に導いた。
さらに、1999年のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)バルセロナ戦や、レアル・マドリードでの移籍後初ゴールなど、クラブレベルでも輝きを放った。どのゴールにも共通するのは、緻密に計算された精度と独特のカーブだ。そのフリーキックは単なる得点手段を超え、サッカーの芸術として多くのファンを魅了し続けた。
5位(3位タイ):リオネル・メッシ(アルゼンチン)66ゴール
リオネル・メッシのフリーキックは、正確無比なコントロールと美しい曲線を描き、数々の名場面を生み出してきた。中でもバルセロナ在籍時(2004-2021)2019年のCL準決勝リバプール戦での約30メートルの一撃は、ゴール右上隅を射抜き「完璧なフリーキック」と称賛された。
また、アルゼンチン代表としても2021年コパ・アメリカのチリ戦での鋭い一撃が話題となり、母国を優勝に導く象徴的なゴールとなった。さらに、ラ・リーガでは通算36本のフリーキックゴールを記録し、歴代最多の記録を樹立。これらのゴールは単なる得点に留まらず、芸術とも言える精度と駆け引きの巧妙さで多くのファンを魅了している。
驚くべきことに、メッシは2018年以降、フリーキックとPKでそれぞれ32ゴールを記録しており、そのセットプレーの威力は健在だ。2024年10月3日のメジャーリーグサッカー(MLS)コロンバス・クルー戦(3-2)でもフリーキックで直接ゴールを決め、ベッカムを1点上回った。引退までにさらに記録を伸ばし、上位にランクインする可能性が高いだろう。