ただし、労働者1人あたりGDPは減少傾向が続いていたのに対して、労働時間あたりGDPでは140ドル近辺で停滞している状況です。

平均労働時間が短くなっている影響なども考えられそうです。

アイルランドが近年大きく上昇している事と、資源大国でもあるノルウェーが一回り高い水準であること以外は、多くの国で近い水準で推移している事もわかりますね。

基本的には各国で少しずつ上昇傾向が続いている事になります。

日本とは大きく水準が異なっている事も良くわかるのではないでしょうか。

5. 西欧・北欧・北米の労働生産性の特徴

今回は、特に水準の高い西欧・北欧・北米地域の労働生産性についてご紹介しました。

どの国も日本を大きく上回り、労働者1人あたりで見ても、労働時間あたりで見ても非常に高い水準であることがわかりました。

その中でもひときわ水準の高いルクセンブルクとアイルランドですが、ルクセンブルクは2000年代から減少傾向で、逆にアイルランドは急激に上昇傾向となっている点が興味深いですね。

資源大国でもあるノルウェーや、経済水準が高い事で知られるスイスも含め、デンマークやオーストリアなども非常に高い水準に達しているようです。

日本は特に2022年以降円安が進んでいますが、2024年に欧州諸国を回った感触としては、日本と比べると安いものが少なく、生活もやや不便な場合が多いですね。

スーパーマーケットで購入できる食材なども高価だと感じますし、レストランなどで食事すると大変高額になりがちです。レストランで夕食をとると、1人40~80ユーロ(6,000~14000円)くらいにはなります。

生産性や所得水準が高いけど、物価も高いというのは良く言われる事と思います。

ただし、実際のところ感覚としては欧州諸国の物価は高いと思いますが、購買力平価を為替レートで割った物価比率で見ると日本とドイツ、フランスなどはたいして変わりません。