前回までは、ILOのデータベースを基に、189の国・地域での労働生産性について国際順位をご紹介しました。
労働者1人あたりGDPでも、労働時間あたりGDPでも日本は40位台後半で、近年では色々な国に追い抜かれたり、追い上げられたりしている状況のようです。
今回からはもう少し詳細に、各地域ごとに労働生産性の比較をしていきたいと思います。
地域の分け方は外務省の区分をベースとしながら、欧州は西欧・北欧と、東欧・南欧に分けています。また、ロシアなどCIS諸国は欧州の区分になりますが、地域的にも近い中東と合わせて中東・CISとして区分しました。
これらの区分についても、今後ご紹介していきます。
今回は、水準の高い西欧、北欧、北米諸国についてご紹介します。
まずは、労働者1人あたりの最新の順位を見てみましょう。
図1が西欧、北欧、北米地域の国々についての労働者1人あたりGDPの国際比較です。
全体的に日本の水準を大きく上回っていますが、ルクセンブルク(23.3万ドル)、アイルランド(23.0万ドル)が突出している様子もわかりますね。
日本(8.0万ドル)の約3倍の水準です。
スイス(13.4万ドル)、アメリカ(13.2万ドル)が続きます。
フランス(10.9万ドル)、ドイツ(10.5万ドル)も高い水準ですが、その間にはノルウェー、ベルギー、デンマークなどの国々もランクインします。
この中ではカナダ(9.5万ドル)やイギリス(9.4万ドル)の水準でも低い方となります。
2. 労働者1人あたりGDPの推移続いて、西欧・北欧地域の国々の労働者1人あたりGDPの推移を見てみましょう。