まずは考え方から。「AIは一般論しか言わない」とはいえ、設計思想から外されているもの(犯罪やアダルトなものなど)以外は、すべてのジャンルについて回答してくれます。つまり逆にいえば、一般論に関しては最強なのです。どんなジャンルについてでも、いつどこで聞いても、80点程度の回答はしてくれる。脅威のオールラウンダーだと考えると、優秀な相棒に見えてきませんか? これは人にはできない、AIの大きな強みです。
たとえば私は経営コンサルタントとして約20年活動しており、それなりの知識や経験を積んできました。でも、総知識量でいえば、生成AIには1ミリも叶いません。そういう存在として捉えなおすと、AIはやはり優秀なのです。
次に対応策についてです。生成AIから出力される回答が一般論に偏るのには、実は「そういう風に調整されている」ということ以外にも理由があります。それは、生成AIが「あなた」のことを知らないからです。
たとえば、「週末暇なんだけど、何か時間つぶしできる遊びはない?」と聞けば、暇つぶしに関してオールジャンルで考え、総合的な回答をしてくれますが、あなたがアウトドア派だったらキャンプや登山、バーベキュー、クライミングなど、アウトドア好きの人のための提案をしてほしいですよね? であれば、あなたのことを生成AIに教えてあげればいいのです。
あなたがアウトドア派で登山が好きだったら、その情報を事前に入れておけば、「週末暇なんだけど、何か時間つぶしできる遊びはない?」と聞いたときに、真っ先にインドアな遊びが提案されることはないわけです(無理矢理聞くことはできますけど)。
真偽不明の情報だらけで使えない?生成AIは、事実と異なる情報を生成してしまうことがある。これをハルシネーションと呼びますが、これも多くの「使えない論」を唱える人の生成AIを使わない理由です。確かに間違いを出力することもありますし、特に生成AIが世の中に出てきた頃はまだまだ間違った出力が多く、そうした出力内容をスクリーンショットでネタ的にSNSに投稿する、なんてことも多く見受けられました。