他にも、元プロ野球選手の高木豊氏を父に持つFW高木俊幸も、千葉から契約満了通告を受けたことでトライアウトに初参加。東京ヴェルディユース時代にはU-18日本代表に選出され、ユース所属ながらプロデビューも果たし、弟2人もJリーガー(アルビレックス新潟・高木善朗、レノファ山口・高木大輔)の高木は、2016年のルヴァン杯では大会得点王に輝いた実績もある33歳だ。
2代理人を通じてオファーを待つ手もある中、「少しでも可能性を広げたいし、自分のプレーを見てもらいたい」とあえてトライアウトに挑んだ高木は「殺伐とした雰囲気と聞いていましたが、周りの選手に恵まれ、一体感があってとても助けられました」と笑顔で振り返った。そして「やりがいがあるのであれば、カテゴリーにこだわりはない」とも語っている。
また、レンタル移籍先のV・ファーレン長崎と保有元の名古屋グランパス双方から契約満了を告げられ退団した23歳のDF成瀬竣平も参加。名古屋U-18育ちで、同期には日本代表DF菅原由勢(サウサンプトン)やDF藤井陽也(コルトレイク)がおり、2018年3月には17歳2か月1日の若さでJリーグデビュー。これは現在に至るまで名古屋におけるクラブ最年少記録だ。
参加選手の移籍先
ギラヴァンツ北九州を退団し、昨年のトライアウトに参加したGK吉丸絢梓は、福島ユナイテッドに拾われただけではなく2024シーズン開幕スタメンに名を連ねた。全38戦中36試合でゴールマウスを守り、福島のJ2昇格プレーオフ進出に大いに貢献した。
さらに、移籍先を見つけた選手のほとんどがカテゴリーを下げている中、2015シーズンオフにJ2の千葉から契約満了を告げられたMF田中佑昌は、トライアウトに参加した結果、当時J1のヴァンフォーレ甲府への加入が決まるという“個人昇格”を果たしたケースまである。