「元の木阿弥」の由来

「元の木阿弥」とはどんな意味?その由来になった「木阿弥」という人物とはいったい・・
(画像=『FUNDO』より引用)

ここからは「元の木阿弥」の由来について解説します。

替え玉とされた「木阿弥」を由来とする説

「元の木阿弥」は戦国時代の故事から来たという説があります。

戦国時代、当時戦国武将だった筒井順昭が病死してしまいます。
一国の戦国大名が病死したとなれば一大事、もしかしたら他国に弱みを握られてしまうことになるかもしれません。

そこで、当時は順昭の死を隠すために彼の子である順慶が成人するまで「声のよく似た木阿弥」という男を寝所に寝かせて外来者を欺いていたそうです。

もともと「木阿弥」は盲目で貧乏な暮らしを送る身分の人物でした。
しかし、殿様の替え玉として採用されたことで裕福な暮らしを手に入れたわけです。

しかし、順慶が成人すると同時に順昭の喪も公表され「木阿弥」の役目は終わってしまいます。

その結果「木阿弥」はもともとの身分に戻ってしまうのでした。

この故事から転じて、一度良くなったものが再び元の状態に戻ることを「元の木阿弥」と表現するようになったとされています。

修行僧「木阿弥」から来たとする説

「元の木阿弥」は修行僧の「木阿弥」から来たという説もあります。

その昔、妻と離縁して出家し、修行に励んだ「木阿弥」という僧がいたそうです。

彼は来る日も来る日も木の実を食べて修行を続け、修行僧として鍛錬しました。

しかし、長年の無理がたたったために心身を壊してしまい、一度離縁した妻のところへ戻ることを決意するのでした。

その結果、長年続けてきた修業が台無しになってしまい、それを知った人々にも「元の木阿弥」だと嘲笑されてしまったのだとか。

この出来事から転じて、元の状態に戻ってしまうことを「元の木阿弥」と表現するようになったとされています。

「元の木椀」が変化したとする説

「元の木阿弥」は「元の木椀」という言葉が変化したという説もあります。

「元の木椀」はお椀の朱塗りが剥げて木地が現れ、ただの木椀に戻ってしまったことを表現した言葉となっています。

それが転じて「元の木阿弥」となったという説もあるようです。