ダイエット(減量)の効果は、食事、運動のみならず、睡眠にも影響を受けます。
最近、東京医科大学などに所属する研究者たちで構成された研究グループは、RIZAPのジム会員1万人以上のデータをもとに、睡眠とダイエット効果の関係について、興味深い発表をしています。
今回、研究グループが注目したのは、平日(仕事日)と週末(自由日)の就寝・起床時間のズレを表す社会的時差ボケという概念です。
研究では、減量プログラム参加者の社会的時差ボケの程度と減量効果との関係が詳しく分析され、社会的時差ボケが大きい人は、ダイエット効果が薄いという結果が得られています。
これは、仕事のある日もない日も一貫した睡眠を保つことがダイエットを進める上で鍵になることを示唆しています。
この記事では、別の研究結果を含めて、睡眠を良くすることでダイエット効果が高まるという事実を説明していきます。
今回の論文は、『Sleep and Biological Rhythms』に2024年6月24日付けで公開されています。
目次
- 平日と休日の睡眠がズレていると痩せにくい
- 睡眠時間を延ばすだけで食事量が減り痩せる
平日と休日の睡眠がズレていると痩せにくい
社会的時差ボケは、仕事や学校、家事などの社会的な制約によって、私たちの体内時計と社会的な時間との間に生じるギャップのことを指します。
典型例としては、平日の仕事がある時にはアラームを使って早起きし、睡眠時間が少なくなる一方、翌日に仕事がない時には夜更かししつつ、昼頃までたっぷり寝るといったものです。
今回の研究では、2015年から2018年にかけて、パーソナルトレーニングジムの減量プログラムに参加したダイエッターの中から、データに欠損のない1万1829人を対象に、社会的時差ボケの程度と体格指数(BMI)、体脂肪率の変化との関係を探りました。
このうち、社会的時差ボケの程度は、「ミュンヘンクロノタイプ質問紙」というツールが用いられ、休日の睡眠の中間時刻から平日の睡眠の中間時刻を引いて算出されています。