再調査の結果:雪崩と視界不良、しかし残された疑問

 2019年に事件を再調査したロシア当局は、謎の死の原因は雪崩と視界不良であると結論づけた。雪崩によって「一行はテントから近くの尾根の下に避難することを余儀なくされた。視界不良のため、テントに戻ることができなかった」という。

「それは英雄的な闘争だった。パニックはなかった。しかし、当時の状況下では、彼らは自分たちを救う術がなかった」と地方検察庁副長官のアンドレイ・クリアコフは述べている。「雪崩についての解釈は完全に裏付けられたが、それが彼らの死の唯一の原因ではなかった」と彼は続けた。

ディアトロフ峠事件では何が起きた?“死の山”で9人の学生を襲ったのは本当に雪崩なのか
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

 雪崩でテントから避難した後、彼らは近くの山の尾根に集まった。そこから、数人がテントに戻ろうとしたが、道に迷い、凍死したと公式報告書は述べている。しかし、なぜ彼らは衣服を脱いでいたのか、何が大規模な内臓損傷を引き起こしたのかなど、多くの疑問が残っている。雪崩であれば、典型的な死因は窒息死のはずである。

 雪崩が起きたとされているにもかかわらず、テントは雪から突き出た状態で地表近くにあり、現場には雪崩の兆候はなかった。米ニュースサイトHeavyによると、「事件以来、この地域への100回以上の探検で、雪崩を引き起こすような状況を報告した者はいない」という。