世の中には「あれ、どっちだったかな…」とおぼろげに記憶してしまう事象が多々あるが、その正式名称が誕生した「背景」を知ると、思わず納得してしまうもの。賢明なる読者には既知の事実として映ったり、「細かすぎるだろ!」とツッコミを入れたくなるケースもあるかと思うが…決して少なくない人々が「誤って記憶している事象」の正体について探っていきたい。
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今回取り上げるのは「Canon」のロゴマークでお馴染み、日本が誇る大手精密機器メーカーの「正式表記」についてである。
■「キャノン」の呼び名でお馴染みだが…
まず注目したいのが、全国の10〜60代の男女1,000名を対象としたアンケート調査における「映像機器でお馴染みな企業の正式表記はどちら?」という設問に対する、ネットユーザーの回答結果。
こちらの設問に「キャノン」と回答したのは全体の66%、残る34%は「キヤノン」と、「ヤ」の文字が大きい方を選択している。倍近い差が開いており、やはり「キャノン」表記が正しい…と考えてしまうが、じつは「Canon」のカタカナ表記は「キヤノン」が正しいのだ。
だが、日常生活の会話の中で、同社の「ヤ」の字をわざわざ大きくして「キヤノン」と呼ぶ人物に遭遇した記憶はない…。というか、皆当然のように「キャノン」と発音していたはずである。
そこで今回は「キヤノン株式会社」に、疑惑の社名表記に関する取材を敢行することに。その結果、なんとも意外な事実が明らかになったのだ。