ですから「1日の勤務時間を8時間から10時間にして、休みを3日する」というような今回の東京都の方針とは違います。

イギリスで実施されたものは経営者にとってはかなりリスキーですが、試験の結果はどうなったのでしょうか?

画像
週休3日にしても生産性は落ちない/ Credit: canva

これが驚くことに、試験に参加した従業員のほとんどは生産性を週5日の場合と同レベルに維持できており、休暇の増加によって日々の幸福度も改善されたと報告したのです。

さらに従業員の病欠は65%も減少し、71%が燃え尽き症候群のレベルが低下していました。

週休3日にしたことで従業員のストレスが大幅に緩和し、仕事への意欲も高まり、総勤務時間は以前と比べて減っても、従来と同じかそれ以上の働きを短い時間で行えるようになったのです。

実際連休を取るために仕事を事前にまとめて終わらせた経験を持つ人は多いでしょう。勤務日数の減少や休日の増加は同じ時間で行う作業の効率も変化させるようです。

やはり週休3日にする場合は、1日の勤務時間を増やして総勤務時間は変えないよりも、大胆に丸ごと1日休みを追加する方針にしてしまった方がいいのかもしれません。

このため試験に参加した企業の90%以上が週休3日制の導入の継続を選択し、うち18社は恒久的に週休3日制にするとの決定を下しています。

画像
車通勤が減って、地球環境にも優しい/ Credit: canva

ただ、都庁では休日にした分の勤務時間を残りの4日間に割り振るという方法を選択しているように、単純に休みを増やして生産性は維持し、給与も変えないという仕組みは導入しづらいことが伺えます。

生産性の維持をどうやって評価するかは業種によってはかなり難しいため、結局は週休3日制の導入では、1日の作業量の増加や、給与の減額という形で実現されることになるでしょう。

ただ、通勤にかなり手間がかかる人や、午前は仕事の立ち上がりが遅いという人は多いため、業務日数を減らしてその分の作業を残りの4日間に振り直すことは、想像以上に作業効率への恩恵が大きいと考えられます。