またそれぞれの従業員が「週休3日制」と従来通りの「週休2日制」を自由に選べるようになれば、個々人の生活スタイルに合わせた柔軟な働き方が可能になり、仕事の生産性も高まるかもしれません。

加えて、週休3日制の導入は企業のアピールポイントとなり、多様な人材を確保することにつながると見られます。

デメリットもありうる

その一方でデメリットも少なくないでしょう。

例えば、東京都が予定する週休3日制の方法では、総勤務時間は変わらないわけですから、勤務日の負担が大きくなり、精神的・肉体的なストレスは期待通りには軽減されない可能性があります。

また従業員が週休2日か週休3日を好きに選べるようになると、チームとしての連携が取りづらくなり、生産性が落ちやすくなるかもしれません。これは在宅勤務でも見られる問題です。

それから週休3日制はすべての業務には適しておらず、常時勤務が必要な救急サービスや公共交通機関など、柔軟に休みが取れない企業との不平等が生じることも想定されるでしょう。

これらはあくまで週休3日制を実施した場合の想定に過ぎず、実際にどのような効果が現れるかはわかりません。

しかし有難いことに、世界にはすでに週休3日制を導入して、どのような変化があったかを報告してくれている企業があります。

では週休3日で従業員や会社にどのような影響があったのかを見てみましょう。

イギリスで「週休3日制」を実施した結果…

イギリスは2022年6月〜12月にかけて、60社以上、3300人以上の従業員を対象に「週休3日制」を導入する大規模試験を行いました。

ここで実施されたのは「100:80:100」モデルに基づく週休3日制です。

これはどういうことかと言うと、従業員が生産性をこれまで通り100%維持することを約束する代わりに、以前の80%の総勤務時間に対して100%の給料を支払うという制度を指します。

要するに、1日の勤務時間は変えずに、そのまま休みを1日増やすが、全体の給料は変えないというものです。