これが大多数の日本人の素直な感想だろう。
実際、シリアの内戦問題に踏み込むと、とてもではないが、こんなコラムで書き切れるものではない。シリアはロシアが介入して後、シリア国内の平定より、ロシア軍の兵器の実験場としての趣が強い。アサド大統領も、弱い政府軍を補完する意味で、ロシアの無差別介入に対して、何もうつ手なしの状況だった。
ロシアがシリア内戦に介入した理由は、ボスポラス海峡からしか地中海を経て外海に出ることが出来ない現状を変え、シリア国内にパイプラインのルートを確保し、地中海に出る手段を得たかったからだ。その先にあるのは、トルコを親ロシア政府にしておいて、イラクを籠絡し、地中海に加え紅海やペルシャ湾にまでパイプラインを繋げば、ロシアのエネルギー産業は安定すると考えたのだろう。
ウクライナへの侵攻が長引き、戦費、兵器、兵士ともに窮してきたロシアとしては、シリアに余計な手を出す暇も人も金も無くなってきたので、アサドの懇願虚しく、シリアからの撤退を余儀なくされた。それを待っていたかのように、反政府軍が一気に巻き返しを図り、結果、持ち堪えられないと判断したアサドが亡命することとなった。
首都ダマスカスは、ほぼ無血開城状態となったが、反政府軍とて強固な指導体制があるわけではなく、また、混乱に乗じてクルド人部隊やISIS(イスラム国)の残党がシリア国内の覇権を握ろうと画策している。ISISは特定の指導体制があるわけではないので、おそらく、どこかのテロ組織に吸収されてしまうだろうが、問題はクルド人部隊だ。
For those who don’t remember just how chaotic the Syrian Civil War was.
13 years of war in 2 minutes
🟥 Assad 🟩 Syrian rebels 🟨 Kurdish-led SDF ⬛️ ISIS