オンラインニュースでも、父親が「知らなかった」と答えていると報道

 この報道はネットの「FNNプライムオンライン」で発信されて、「Yahoo!ニュース」でも配信されました。さらに翌22日の朝の情報番組『めざまし8』でも同じ映像がリピートされました。それに対してSNS上では批判が集まっています。相手はいきなりのマスコミの訪問に明らかに驚き、嫌悪感を露骨に示しています。強引なドアホン越しの撮影と音声の録音は一種の“暴力”ではないでしょうか。もちろん報道においては、事件にかかわった人から事情を聞くことで新たな事実がわかることがあります。そのため、関係者を取材することがすべていけないとまでいうつもりはありません。

 ただ、取材した映像などを放送するにあたって、妥当なのかどうかを検討する必要があります。このケースでは水原氏本人のコメントを取ることができないために、「締切までに関係ありそうな人には誰でもいいから話を聞いてしまえ」という安直さが見え隠れするのです。水原氏の違法賭博疑惑には両親はなんの関係もありません。それなのに関係あると考えてテレビが取材しようとするのは、「水原氏の親の育て方が間違っていたのではないか?」とする前時代的な処罰感情があるように思います。息子がトラブルをしでかして衝撃を受けている両親に対して、テレビが「弱い者いじめ」をしているようにしか思えません。本人がコメントしないからと肉親を取材しようとする安易さとデリカシーのなさが、「マスゴミ」などと言われる要因ではないでしょうか。