11月30日に59歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さまの記者会見(11月25日)では、「将来皇位を継承されるお立場である悠仁さまへの期待をお聞かせください」という問いに対し、「一つ一つ自分が関わる仕事を大事に思って、取り組んでほしい」とされ、幼少期からの帝王教育を説明された。また、ご夫妻の記者会見では記事冒頭に触れたように、早い時期に海外留学をすることの重要性を話された。
上皇陛下ご夫妻とは赤坂御用地で頻繁に接触されているし、成年行事以降は、天皇陛下との接触も多くなるだろう。帝王教育の遅れなどない。スポーツにも熱心に取り組まれ身体頑健だし、学業も屈指の進学校である筑波大学附属高校で少なくとも普通のレベルだ。
悠仁さまが成年のとき、宮内庁は、お祝いへの御礼だということで簡単なメッセージを公表した。この内容を、高森氏は20歳で成年したときの愛子さまの記者会見でのお言葉と比べて中身がないと批判する。しかし、愛子さまが成年の前月2019年11月にするべき記者会見を準備ができてないと異例なことに4カ月延期したのち、練りに練ってやっと出されたお言葉とは年齢も意味合いも違うので、比べるべきものでない。
一方、愛子さまが「国民のなかに」という天皇皇后両陛下のお気持ちを実践されていると高森氏は言うが、「国民のなかに」というのは、上皇御夫妻が目指された皇室像であって、いまの両陛下の公務の量は皇后陛下の体調を考慮してのことだが、上皇陛下の時代から激減しているのが現状だ。
国体など地方行幸啓は、原則2泊3日だったのが1泊2日になった(英国訪問でも12回の食事のうち8回はホテルで両陛下だけでされているという状況だ)。
歴代天皇にはそれぞれ哲学がある。昭和天皇は慈愛に満ちた仰ぎ見る君主だった。上皇陛下はストイックで国民の中に入って交流を重ねられた。今上陛下は家庭人としての生活も公務以上に大事にする良き夫であり、父親としてワークrライフバランスが重視される時代のひとつの模範的な姿を示そうとされている。