アホウドリの夫婦は基本的に別々の場所で暮らしていますが、繁殖シーズンになるとまた同じ場所に戻ってきて1年ぶりの再会を果たします。
みんな同じような見た目をしているのに、ちゃんとパートナーを見分けられるのはすごいですね。
そして10〜11月に1個の卵を産み、オスメス交代で卵を温め(抱卵)、おおよそ64〜65日の抱卵期間が過ぎると、翌年の1〜2月に孵化します。
ヒナは生後10カ月ほどで空を飛べるようになり、故郷を巣立って海へと飛び立ちます。
若きアホウドリたちが性成熟に達するのは5年〜10年ほどです。
つがいとなったアホウドリのペアは時に離婚をして新たなパートナーを見つけることもありますが、基本的にはどちらかが亡くなるまで連れ添います。
しかし、その中でも波乱万丈の生涯を送ってきたのが、今回の主役である「ウィズダム」でした。
74歳で新たな恋人と交尾し、出産!
ウィズダム(Wisdom)は北太平洋の北西ハワイ諸島にあるミッドウェー島の国立野生生物保護区に暮らすメスのアホウドリです。
ミッドウェー島には繁殖シーズンに入ると毎年300万羽のアホウドリが一堂に会します。
そこでウィズダムが最初に発見されたのは今から68年前の1956年のことでした。
アホウドリのメスは5歳を超えるまでは産卵することができません。
その当時、ウィズダムが産卵をしたことが確認されていることから、少なく見積もっても2024年時点で74歳に達していると考えられるのです。
これは確認されている現生鳥類の中で世界最高齢と見られます。
ウィズダムの年齢はアホウドリの中でも異例であり、生物学者のジョン・プリスナー (Jon Plissner)氏は最近、BBCラジオにて「ウィズダムの年齢に近いアホウドリは他に知られておらず、彼女の次に高齢のアホウドリでも45歳に過ぎない」と話しています。