図2が主要先進国、韓国、BRICsの労働時間あたりGDPの推移です。
2005年からのデータとなりますが、停滞する国と上昇している国とが明確にわかりますね。
日本は少しずつ上昇していますが、他の国ほどではありません。他の主要先進国と比較すると、以前からかなり低い水準だったことになります。
韓国の上昇傾向が強く、2022年から日本を上回っています。
中国やインドも上昇していますが、日本との差はまだ大きそうですね。
イタリアはかなり高い水準ですが、近年では横ばい傾向が続いていて、ドイツやフランスとは差が開いているようです。
台湾は2005年では日本を下回っていましたが、2013年に日本を抜き、2023年にはカナダを上回っています。
トルコとルーマニアは2005年の段階では日本の半分近くでしたが、2023年にはかなり近い水準にまで上昇しています。
ただし、トルコは労働者1人あたりGDPでは近年日本を上回りますが、労働時間あたりGDPではまだ超えていません。
平均労働時間がトルコの方が長い事が推測されますね。
5. 労働時間あたりGDPの特徴今回は、ILOのデータから、労働生産性の指標である労働時間あたりGDPについてご紹介しました。
日本は労働時間あたりで見ても、残念ながら先進国の中ではかなり低い水準となります。
187の国と地域の中では47番目と上位にある事は確かですが、2005年時点では41位でしたのでじりじりと国際的な順位が低下している事になります。
購買力平価で換算すると、各国の物価水準を揃えた上で、数量的=実質的な数値を比較する事になります。つまり、物的労働生産性を推測し国際比較している事になるわけです。
「安いものに大量に囲まれた国」で物的生産性も高いように見える日本ですが、計算結果としては今回のような数値と順位になります。