疎水性物質は、水の中に入れると水と弾き合う力が働くため、このエネルギーを最小にしようと振る舞います。そのためには、水に触れる面積をできる限り減らした方が安定します。そのため疎水性の物質は水の中では互いにくっつくようになるのです。
エネルギーとか言われると混乱するという人は、物理的な原理とは異なりますが、雨の日の相合い傘をイメージするといいかもしれません。
雨の日の私たちは、自然と濡れるのを避けようします。もし傘が一本しかなければ、濡れる面積を最小にしようとお互い引っ付いて歩きます。
ラブコメでも定番シーンは、人間の行動が疎水性だから成立しているわけです。
雨の日に人間の取る自然な行動が、化学的な性質の中にも潜んでいると思うと面白いですね。
こうした理由でマジックサンドは水にいれると、水を避けるように互いにくっつき塊になります。
そして、カラッと晴れた乾いた場所に出れば、くっついている必要がなくなるので、サラサラの砂に戻ってしまうのです。
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参考文献
What’s That Stuff? Magic Sand And Kinetic Sand
https://cen.acs.org/articles/93/i12/Magic-Sand-kinetic-Sand.html
ライター
海沼 賢: 大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。
編集者
ナゾロジー 編集部