表面張力というのは、水が丸い形を保とうとする力を指します。
これは水分子同士が引っ張り合うとき、表面に余分なエネルギーが生じないよう振る舞う性質で、水滴が丸くなるのは表面が球の状態がエネルギー的に最も安定した状態だからです。
このような理由で親水性を持つ通常の砂は、水と触れると濡れてしまい、そして濡れると互いにくっつくようになるのです。
しかしマジックサンドは逆で、疎水性の水を嫌い水分子と結合しない物質でコーティングされています。
水に入れたマジックサンドが、銀色にキラキラ光っているのが分かると思いますが、疎水性の物質は水を弾くため、水に入れたとき表面に空気の層ができます。これもマジックサンドが水に触れることを防いでいます。
そのため、水に浸してそこから出しても、マジックサンドは乾いたサラサラの砂の状態を保っていて濡れることがないのです。
ただ、濡れない理由はわかりますが、水に入れたとき粘土のようになってしまうのはなんなのでしょうか?
通常の砂は水に入れると、水中に広がって濁った泥水になってしまうだけです。なぜ疎水性のマジックサンドは、水の中で塊になり、水の外ではサラサラなのでしょうか?
水を嫌うと言われただけでは、水に入れたとき粘土のようになる理由が納得できないという人のために、この不思議な性質について説明していきましょう。
マジックサンドが水に入れるとくっつく理由
マジックサンドの不思議なところは、水の中で塊になる性質です。
この砂が持つ疎水性とは、先程も述べた通り水を嫌う性質です。これは水分子と結びつかない性質であり、また水をできるだけ避けようとする性質でもあります。
自然界にある物質は基本的にエネルギーの低い状態の方が安定するため、エネルギー的に最小になるように振る舞います。