「鳶に油揚げをさらわれる」の成り立ち
では「鳶に油揚げをさらわれる」は何から来た言葉なのでしょうか。
ここからは「鳶に油揚げをさらわれる」の成り立ちを紹介します。
由来となった「鳶」の習性
「鳶に油揚げをさらわれる」は「鳶」の習性から来た言葉です。
「鳶」は普段悠々と空を飛んでいますが、獲物を見つけると素早く空から舞い降りて獲物をさらっていくという習性があります。
その姿から「鳶に油揚げをさらわれる」が生まれたのだとか。
ただし「油揚げ」が「鳶」の好物というわけではありません。
これは単に人間が神社に供えるものとして「油揚げ」があり、それ「鳶」がさらって食べていたことにちなむとされています。
転じて、現代では「鳶=他人」「油揚げ=大事なもの」という認識から「他人に大事なものを奪われる」の意味で使用されるようになったとされています。
「鳶」とはこんな鳥
「鳶」は全長60cmほどにまで成長するタカ科の猛禽類です。
大型の鳥類として知られ「油揚げ」ほどであれば簡単に持ち上げられます。
別名で「トビ」とも呼ばれ、優れた飛行能力でも知られる動物です。
実際にほとんど羽ばたかずに尾羽で巧みに舵をとり、上昇気流に乗って輪を描きながら上空へ舞い上がるなど飛行スキルは鳥類でも指折りとされます。
「ピーヒョロロロロ」という鳴き声でも知られており、日本でも馴染みのある鳥といえるでしょう。