「泣く子と地頭には勝てぬ」の成り立ち
ここからは「泣く子と地頭には勝てぬ」の成り立ちを解説します。
「地頭」とは何者?
「地頭」は鎌倉幕府・室町幕府が荘園・国衙領(公領)を管理支配するために設置した職を指します。また、江戸時代でも領主の事を地頭と呼んでいました。
要は、地方や地元の有力者の事を指す言葉が地頭です。
「地頭に法なし」という言葉があるように、地頭は自分の納める地域では絶対的な権力を持っており、その地での絶対的な権力は法すら及ばないという状況だったようです。
その「地頭」から生まれたのが「泣く子と地頭には勝てぬ」となります。
今でいうところの権力を振りかざして圧力をかける地主のような存在です。
「泣く子」と「地頭」の共通点
「泣く子」と「地頭」はどちらも手に負えないものの象徴となります。
「泣く子」には何を言っても道理が通じません。
権力を振りかざす「地頭」も同様に道理が通じません。
その両者を引き合いに出したのが「泣く子と地頭には勝てぬ」です。
どちらも道理は通じず、争ったところで損をするだけです。
そういった「敵わない存在」を「泣く子」と「地頭」に例えたのが「泣く子と地頭には勝てぬ」となります。