■両方のゾーンが同じイベントで発生することも
もっと頻繁にゾーンに入ることで、仕事を含めて各種のパフォーマンスが向上することは明らかだが、ではどのような状況でこの2つのゾーンに入るのか。最初のステップは、それぞれのゾーンを理解することである。
クラッチ状態はパフォーマンスの結果の重要性が意識された時に、そのプレッシャーの下で発生する。締め切りに間に合わせる、最後のバスに乗るために走る、またはレース終盤に自分のベストを尽くして走り切ることなどだ。
一方でフロー状態は目新しさ、探索、試行ができる状況で発生する。たとえば初めてゴルフコースをプレーすること、新しいルートを走ること、または空白のノートを広げてアイデアを書き連ねるブレインストーミングなどで起こる可能性がある。ここにはプレッシャーや期待は端からなく、自由な試みが可能だ。
両方のゾーンが同じイベントで発生する可能性もある。 たとえば、マラソンランナーがレースの中盤までフロー状態にあり、途中で自己ベストを破るチャンスや勝つチャンスがあることに気づき、終盤でクラッチ状態に入って集中したパフォーマンスを発揮するケースなどだ。