科学者たちは、地震や火山噴火などの自然現象を予測するために、驚くべき協力者を得たのかもしれない―――。
それは、犬、ヤギ、その他の家畜や野生動物たちだ。数千頭の動物たちに小型発信器を取り付け、宇宙からその動きを監視する研究が始まっている。動物たちの行動に隠された、自然現象の予兆を読み解く試みだ。
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動物の行動を宇宙からの新たな視点で追跡
このプログラムでは、哺乳類、鳥類、昆虫に小型発信器を取り付け、来年打ち上げ予定の専用衛星から詳細な動きを監視する。目的は、火山噴火などの自然災害が差し迫った際の動物の反応を研究するだけでなく、動物の移動、病気の蔓延、気候変動の影響といった様々な現象を解明することにある。
ドイツのマックス・プランク動物行動研究所のマーティン・ヴィケルスキー氏は、「最終的には、約6機の衛星を打ち上げて、地球規模の観測ネットワークを構築したいと考えている。これにより、地球上の野生動物の移動や健康状態の詳細が得られるだけでなく、地震などの自然現象に対する動物の反応も明らかになるだろう」と述べている。