「立つ鳥跡を濁さず」の成り立ち
「立つ鳥跡を濁さず」は、鳥が飛び去る様子から来たことわざです。
現に鳥が飛び立っても水面が澄んだままの状況を描写した言葉となります。
本来、鳥は地面を強く蹴ったり翼を勢いよく羽ばたかせたりして飛び立つため、水面が揺れて汚れてしまう場合があります。
しかし、鳥の中には水面を揺らすことなく飛び立つ鳥もいるわけです。
その光景から生まれたのが「立つ鳥跡を濁さず」ということわざです。
「立つ鳥跡を濁さず」とはどんな鳥のこと?
「立つ鳥跡を濁さず」ではどんな鳥なのかは明示されていません。
ただし、末尾の「濁さず」という言葉から水鳥と推測できます。
では、水鳥のなかでもどのような鳥なのでしょうか?
これに関しては古い用例を見るとわかりやすいです。
現に安土桃山時代には「鷺は立ちての跡濁さぬ」などの表現が見られたため「水鳥=鷺(サギ)」を意味していたといえるでしょう。
ただし、現代では具体的な鳥ではなく人を対象に使用するのが一般的なので、あまりどのような鳥なのかは言及されません。
あくまでも水鳥が飛び去っていった情景を人に当てはめた言葉なので、どのような鳥かは明確にされません。