最後に家庭だ。これは会社経営に近い。給与や報酬は売上、家の家賃や光熱費といった経費を払い、スキルへの投資をして粗利を増やす。子供たちへの教育に投資をして、家族間のコミュニケーションを保つ。正直、その手間は独身とはケタ違いに多い。自分自身、独身の時は自分のことだけを考えていたが、家に帰ると脳内メモリが妻と子供たちのことで占有率100%になる。
だが一見、ただ面倒を背負い込んでいるように思えるこの構図に心が救われている。特に子供たちは自分を頼って来る。おそらく「守りたい、支えたい」という男性ならではの庇護欲も満たされるのだろう。
頼られている以上は、狂っている場合ではなくなる。必死に仕事もするし、体も鍛えて健康を維持するのも人生の課題として真剣に取り組む。おそらく、こうした活動がかなりの気分転換になっている可能性は否定できない。
現在、頑張って取り組めていることのほとんどは支えたい人のためにやっていることばかりである。仮に今、家庭を失えば自分は狂ってしまうだろうということは想像できる。
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独身でも一生涯素晴らしい仕事をして社会貢献をしたり、生き生きと楽しい人生を謳歌する人もいれば、既婚者で子供がいても家庭に愛がなく独身の頃より明確に不幸になる人もいる。そのため、人生の幸せが結婚だけで決まるといった一般化は到底出来ない。だが、家庭を持つことで起きる環境変化により、45歳以上の生き方は大きく影響を受ける要素になるということは一考に値するだろう。
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