表面張力というのは水分子同士の引っ張り合う力のことです。水分子同士が強く引っ張り合っているので、そのエネルギーで二酸化炭素は溶液中に封じ込められています。

そのため炭酸飲料に溶け込んだ二酸化炭素が、ここから逃げ出すためには液体の表面張力を突破する必要があります。

別にメントスを入れなくても、炭酸飲料は開封前に振動が加わると勢いよく噴射してきます。これが起きる原因の1つは、溶液を揺らすことで水分子の配置が不規則になり、表面張力が弱まるためです。

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Credit:canva

そして凸凹した表面の近くでも水分子の配列は不規則に乱れます。ここでも、水分子が引っ張り合う力は弱まっています。

そのため、メントスの表面の様な微細な突起が集中した場所では、次々と飲料に溶け込んだ二酸化炭素が離脱を始めるのです。

また凸凹の隙間に泡が入り込むことで、これを核にして気泡が成長しやすくなります。

こうしてメントスの表面では爆発的に気泡が発生していくのです。

なので、メントスの表面積をたくさん稼ぐほど気泡の発生は強化されます。メントスコーラの実験で大量にメントスを入れる理由がここにあります。

一方フリスクは、メントスに比べて表面がツルツルとしています。もちろん顕微鏡で見た場合には、フリスクにも凸凹があるので気泡を生む力はありますが、メントスほどではないので爆発的な気泡の発生は起こさないのです。

なんでコーラとメントスなのか?

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左から炭酸水、通常のコーラ、スプライト、ダイエットコーラ/Credit:Wikimedia Commons

この実験はいろんな動画制作者が行っていて、コーラとメントス以外にもさまざまな組み合わせが試されています。

しかし、結局最強なのはコーラとメントス、特にダイエットコーラとメントスの場合であると結論されています。

その理由を説明するのは、結局は化学的な部分にあるようです。

これは物理現象で化学反応ではないと、述べましたが、化学的な要因を完全に無視することはできません。