日本の物価高は世界基準に比べて低すぎる賃金水準の見直し期にあることと輸入物価の上昇、及び人材不足が主因ですからこれらが目先にすぐ好転するとは思っていません。
次いでアメリカのFOBがどこまで利下げをするかです。これは読みにくいです。トランプ氏が当選しなければあと2%程度は利下げが期待出来たのですが、トランプ関税によるインフレが果たして起きるのかが読みどころになります。個人的には関税引き上げを実施した場合、スタグフレーションになり、むしろアメリカ経済が弱くなり、ドル安を引き起こす公算があり、インフレ率とFRBの金融政策とは別の要因が為替を動かす可能性を考えています。またトランプ氏はドルは強すぎると言っているのでインフレ⇒利上げ⇒ドル高は望まないはずです。ここは金融政策を含めたもっとも読みにくい点でしょう。
経済力という点からは日本の経済力は強いのか弱いのか、ここがはっきりしないのです。日本経済は内需中心、また25年は半導体シフトが大きく進む年になりますが、半導体産業が来年も好況なのかは判断が分かれるところです。また日本経済を半導体だけで引っ張ることもできないし、それはあまりにもリスク過大なのです。ではほかの産業はどうかといえば仮に日銀が利上げを継続すれば消費は頭を抑えられるので海外事業で稼ぐしかない、けれどそれが可能かどうか私には判断がつきません。
この辺りを踏まえて2025年の為替を考えるしかないと思います。サプライズがあるとすればやはりトランプ政策によるアメリカの金融政策への影響、及び世界経済への波及でしょうか?個人的にはトランプ2.0は1.0の時のような波乱要因にはならず、案外普通の大統領に収まる気がしています。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年12月5日の記事より転載させていただきました。