これはあくまで一事例でしかなく、一般化できるほど豊富なデータではないのだが、サラリーマン時代に転職をしていった人たちは「これから子供の教育費にお金がかかるし、まだ若い内に転職で年収を増やしたい」という人は何人も見てきた。
自分自身、仮に独身であった場合、今ほど頑張って仕事をするか?と問われるとかなり怪しい。ある程度蓄財が出来たらもうそれほど必死に頑張る理由はなくなってしまう。
それでも現在、毎日早起きして時間目一杯仕事をしているのは家族に仕事をする父親としての姿を見せたい、という理由もかなり大きい。また、ビジネスマンとして現役を退いてしまえば明確にビジネス戦闘力が衰えてしまう。そうなれば将来、子供が大きくなった時に彼らと仕事の話が出来なくなる不安はとても強い。
仕事はアスリートの運動神経みたいな部分があり、完全に止めてしまうとあっという間にビジネス感覚は衰え、もはやマーケットに戻れなくなることもあり得る。実際、FIREをしたビジネスマンが明確に頭が動かなくなる体験をして怖くなり、慌ててビジネスを再開した例はいくつもある。
自分の場合、仕事が楽しいというのもあるが、「仕事を完全に止めたら終わり」というのも強力な動機になっていて、「現役で戦い続けること」をお金以上に大事にしている。そしてそれには家族の存在が大きい。自分一人ではそこまで頑張れない。もう自己満足できる程度に満たされているからだ。
死後の世界を良くしたい自分は独身だった20代、「自分が死んだ後の世界はどうなってもいい」と思っていた。その頃には両親も兄弟も他界しているだろうし、その後の世界は自分には関係ないと思っていた。
しかし、結婚して子供を持つと考えは一変した。子供、もしかしたら孫がいる世界が壊滅してしまうのは大変困る。誇張でもなんでもなく、子供は自分の命より遥かに大事な存在なので、彼らが困らないよう死後の世界を少しでも良くしたいと考えてしまうのだ。