これは、ある人の目立った特徴や印象が、その人の他の特性や全体的な評価に影響を与える現象のことです。

では、美しさに関するハロー効果は、現実世界だけでなく、デジタル世界でも生じるのでしょうか。

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顔加工アプリのフィルターで誰でも「可愛く」なれる / Credit:Canva

近年では、顔加工アプリによるAI美顔フィルターが人気であり、多くの人が使用しています。

写真や動画、ライブ配信でフィルターを設定するだけで、誰もが簡単に色白になったり、シワを無くしたりできます。

また目を大きくしたり、小顔にしたりするなど、様々な機能が搭載されています。

今やデジタル世界では、誰もが簡単に美人になることができます。

そして中には、現実世界と同様の「ハロー効果」を期待する人もいることでしょう。

しかし、顔加工アプリによるハロー効果は、これまで十分には調査されておらず、その効果のほどは不明なままです。

そこで今回、グラティ氏ら研究チームは、その点を明らかにするため、フィルターを使用した写真が人々にどう評価されるのか調査しました。

女性は顔加工アプリで「可愛く」なるが、男性からは知性が低いと評価される

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フィルターなし(左)とフィルターあり(右)の画像からその人物について評価する実験 / Credit:Aditya Gulati(University of Alicante)et al., Royal Society Open Science(2024)

研究チームは、調査のために2748人の参加者を対象に、オンライン調査を行いました。

参加者たちは462人の異なる個人の顔画像を、「フィルターなし」または「フィルターあり」で確認し、魅力、知性、信頼性、社交性、幸福感、女性らしさ、非凡さに関して7段階評価しました。

ちなみにこの実験では、参加者たちはそれぞれの人物に対して画像のどちらか一方を見せられており、評価した画像が美化されたものなのかそうでないのかも伝えられていませんでした。