多くの人は、「美人は得をする」と感じています。
実際「顔採用」という言葉もあるように、容姿が美しいと優遇され、知性や信頼性に対する判断も高くなることが心理学の研究から示されています。
では、そのような効果は、顔加工アプリを使用した場合にも生じるのでしょうか。
スペインのアリカンテ大学(University of Alicante)に所属するアディティア・グラティ氏ら研究チームは、AI顔加工アプリのフィルターで補正された男女の顔写真に対する人々の評価を調査。
その結果、多くの人がフィルター適用後の顔を「魅力的」と感じており、さらに「知的」で「信頼性が高い」と評価すると分かりました。
しかしこの結果には男女差があり、特に男性が、フィルター適用後の女性を見た場合、「知能が低い」と評価すると判明しました。
男たちは、顔加工アプリで可愛くなった女性を「可愛い」と認めつつ、「なんだかバカっぽい」と感じているようです。
研究の詳細は、2024年11月27日付の学術誌『Royal Society Open Science』に掲載されました。
目次
- 美形は得する「ハロー効果」はAI補正でも生じるのか
- 女性は顔加工アプリで「可愛く」なるが、男性からは知性が低いと評価される
美形は得する「ハロー効果」はAI補正でも生じるのか
容姿の美しさは、様々な場面で有利に働きます。
例えば、美人に対して、人々は実際には関連性のない他の分野まで高い能力があると評価します。
身体的な魅力度の高い人は、そうでない人に比べて、より知的で、より信頼でき、より幸せで、より社交的だと考えられる傾向があるのです。
これはテレビ番組でも、面接に影響することが示されたりしているので知っている人が多いでしょう。
このような効果は、心理学で「ハロー効果」と呼ばれます。