しかし、12月1日のJ1昇格プレーオフ準決勝では、リーグ戦最終節(10月27日)の愛媛FC戦(ニンジニアスタジアム)での勝利でプレーオフ圏内に滑り込んだ仙台の森山佳郎監督に研究し尽くされていた。リーグ戦で1勝1引き分けと勝ち越していることも自信に繋がっていたこともあるだろう。
圧倒的にボールを支配しながらも、しっかりと構え、ショートカウンターを狙う仙台。前半31分、長崎DFヴァウドがPKを献上。追う立場に立たされると、徐々にその術中にハマり、後半にはさらに失点を重ねていく。後半31分、MFマテウス・ジェズスの得点で反撃の狼煙を上げるが、時すでに遅し。その後、ダメ押しの4失点目を喫し、収容人数とほぼ同数の2万0001人(うちベガルタ仙台サポーターは約2,000人)の前で、“プレーオフの魔物”を目の当たりにする結果となった。
長崎が来季J1自動昇格を目指すには
長崎は今年、オーナー企業であるジャパネットホールディングスが総工費約1000億円をかけ、スタジアムに加え、ホテルやアリーナ、商業施設などを組み込んだ一大複合施設プロジェクト「長崎スタジアムシティ(2024年10月オープン)」を完成させ、勝負のシーズンとして臨んだ。
J1昇格という果実を得られなかったことで、来2025シーズン再びJ2を戦うことになったが、今季披露した圧倒的な攻撃力には、他クラブも放っておくわけもなく“草刈り場”となってしまいかねない。
MFマテウス・ジェズス(今季リーグ戦18点)、FWエジガル・ジュニオ(同15点)、MFマルコス・ギリェルメ(同12点)、FWフアンマ・デルガド(同10点)の強力外国人アタッカーには熱視線が送られており、ギリェルメ以外はJ1での経験もあることから、触手が伸びてくることは必至だ。ジェズスは長崎との契約を1年残すものの、契約解除金(移籍金)を支払ってでも、その決定力を欲しがるクラブが現れるだろう。