「勝って兜の緒を締めよ」の由来
ここからは「勝って兜の緒を締めよ」の由来を解説します。
「兜の緒」とは
「勝って兜の緒を締めよ」は「兜の緒」に由来する言葉です。
「兜」は頭にかぶる武具の1つを意味します。
「緒」は顎の部分で結ぶ紐を意味します。
日本ではかつて兜などの武具を装着して戦場に出ていました。
当時は戦が終わると緒を解いて武装を解除するのが普通でした。
しかし、敗北した敵兵がいつどこで襲ってくるかはわかりません。
油断して兜の緒を取り外してしまうと反撃を受けるかもしれません。
転じて、武士の間で「仮に戦に勝ったとしても兜の緒だけは緩めるな」という教訓が広がったとされています。
実際に「北条氏綱公御書置」にも「勝って兜の緒を締めよ」という言葉について言及されています。
それが現代の「勝って兜の緒を締めよ」の原型となったそうです。
由来とされる「北条氏綱公御書置」
「勝って兜の緒を締めよ」は「北条氏綱公御書置」から来ています。
「北条氏綱公御書置」は1541年5月21日に日本の戦国大名「北条氏綱」が嫡子氏康へ書き残した遺訓のことです。
その「北条氏綱公御書置」に「勝て甲の緒をしめよ、といふ事忘れ給ふへからす。」という文言が書き残されています。
これは「勝って甲(兜などの装甲)の緒を締めよ、ということを忘れるべからず」という意味の言葉です。
「勝って兜の緒を締めよ」はこの文言から来たとされています。