クルコフ氏は「私は自分の本の中で、ウクライナ社会、ウクライナの物語、そしてポストソビエト時代の歴史、人々や彼らの習慣について語っている。前作『グレーな蜂たち』では、占領地域、自由なウクライナ、併合されたクリミアの三つのウクライナを描いた。そして、人々が戦争をどのように捉えているかを描いた。最新作は1919年を舞台にしたシリーズで、ウクライナにとって非常に困難な時期、実質的に7つの軍隊が絡む内戦の時代を描いた。その戦争は100年前に敗北し、ウクライナが長くソビエト連邦に留まる原因となった。しかし、今回の戦争は異なる結末になると確信している」と述べている。

人工知能(AI)による情報提供によると、ウクライナ文学は長い歴史と豊かな伝統を有する文化的遺産の一部であり、民族的アイデンティティや自由への願望を中心に描かれる作品が多い。ウクライナ文学の父とされる19世紀の詩人・作家であり、ウクライナの独立運動の象徴的存在タラス・シェフチェンコやイワン・フランコの作品では、農民の生活、ウクライナの自然、歴史的な圧迫(特にロシア帝国やソビエト連邦時代の影響)が主要なテーマとなっている。その点、人間の普遍的な苦悩や哲学的なテーマが多く扱われるロシア文学とは異なっているという。

当方は「雪の降る日、人は哲学的になる」(2015年1月8日参考)というコラムの中で、「雪が降る日は特別だ。大雪で足が濡れるのはやはり嫌だが、それでも神秘的な雪の風景は何にも代え難いほど魅力的だ。視野を狭め、音を吸収する雪の降る日は人を否応なく哲学的にする」と書いた。キーウ市民は戦争下の閉塞した社会に生きて、地下壕で本を読む。閉ざされた空間にいながら、その思考は自由な世界を飛びかう。ロシア軍のミサイルや無人機もその自由な世界を破壊できない。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。