ロシアのウクライナ侵攻を受け、ジョージアは2022年6月、EU加盟申請を行った。ブリュッセルはジョージアの加盟申請に対して、加盟候補国の地位を付与することを保留した。理由は司法の独立、報道の自由な度で民主主義の後退が見られることだ。例えば、政府が2023年に提出した「外国代理人法案」は、ロシア型の法律に類似しており、人権団体や市民社会の活動を制限する可能性があると批判を受けた。同法案は国際的な圧力を受けて撤回されたが、EUはこの動きを加盟交渉の進展を妨げる要因としている。また、ウクライナ戦争を巡るロシアへの融和的な政策が批判されている。

ジョージアに対するロシアの影響は

ジョージアとロシア間には歴史的、政治的、経済的なつながりが深い。両国間にはアブハジアと南オセチアという領土問題を抱えている。ロシアは2008年、それら地域の独立を承認し、事実上、占領している。エネルギー供給では現在はアゼルバイジャンからの供給に切り替えているが、ロシアの影響は依然大きい。ロシアに出稼ぎに行くジョージア国民の送金は同国にとって貴重な収入源であり、ワイン、農産物などの輸出先としてロシアとの経済的結びつきは強い。ウクライナ戦争勃発後、ジョージアに移住するロシア人が増えている。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年12月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。