外電によると、警察当局は28日夜の抗議デモでは、放水、催涙ガスなどを使用してデモ参加者を鎮圧した。内務省が29日発表した情報によると、43人が逮捕され、32人の警官が負傷した。最大野党「変革のための連合」は、抗議中に党の指導者2人が警察に襲撃され、負傷したと発表している。

ジョージア駐在のEU大使パヴェル・ヘルチンスキ氏は、政府当局のデモ参加者への暴力を非難し、「国民の圧倒的多数の意思にも反している」と述べている。EU自体は年初に、ジョージアの加盟申請を保留している。

ちなみに、欧州議会は28日、今年10月26日に実施されたジョージア議会選挙の結果を「重大な不正があった」として無効と表明し、1年以内に再選挙を求める決議(非拘束決議)を採択した。「グルジアの夢」は選挙で勝利したと宣言しているが、選挙の無効を訴えた多くの抗議行動が行われている。野党は「グルジアの夢」による選挙不正を訴え、新議会をボイコット。野党に近い立場のサロメ・ズラビシュヴィリ大統領は、新議会を「違憲」と主張し、憲法裁判所に選挙結果について異議を申し立てている。法的専門家によれば、裁判所がズラビシュヴィリ氏の訴えに対して判断を下すまで、新議会の決定は無効であるとされている。同大統領は28日、「非合法な政府は自国民に対して戦争を宣言した」と述べている。

EUとジョージア間の加盟交渉の経緯

ジョージアは2003年の「バラ革命」以降、西側諸国との関係強化を目指し、EUとの協力を進めてきた。EU加盟はジョージアの憲法にも明記されている国家目標であり、長期的な政策課題とされている。1999年にEUとパートナーシップと協力協定を締結。同国はEUとの「欧州近隣政策」(ENP)に参加。そして2014年にはEUジョージア連合協定を結んでいる。協定には包括的貿易協定が含まれ、同国はEU単一市場へのアクセスを得た。2017年にはピザ免除協定が結ばれた。