「鬼の居ぬ間に洗濯」の成り立ち
では「鬼の居ぬ間に洗濯」はどのようにして成り立っている言葉なのでしょうか?
「鬼の居ぬ間に洗濯」における「鬼」の存在
「鬼の居ぬ間に洗濯」の「鬼」とは主人や上司のことを指しています。
実際に主人や上司がいると気兼ねしてのんびりすることなどできません。
しかし、逆に主人や上司が留守にしていれば気兼ねなくのんびりできるのではないでしょうか。
そういった使用人や部下の心情を表現しているのが「鬼の居ぬ間に洗濯」という言葉です。
「洗濯」するのは心や気持ち!?
ではなぜ「鬼=主人・上司」がいない間に「洗濯」なのでしょうか。
実はここでの「洗濯」は使用人や部下の気持ちを表したものなのです。
昔の「洗濯」といえば和服の縫った糸をほどいて洗い張りし、再び縫い直すという非常に手間のかかるものだったとされています。
当然、1日で終わるはずもなく里帰りした際に「洗濯」する人が多かったそうな。
転じて、衣服を蘇らせるという意味の「洗濯」が洗濯する者そのものの心身の疲れを癒し、気力・体力を回復すると意味づけられたのです。
そこから「鬼の居ぬ間に洗濯」は思う存分くつろぐことを意味するようになったとされています。
また、当時は「里帰り」そのものが「洗濯」を想起させたことから「鬼の居ぬ間に洗濯」がくつろぐことを意味するようになったとも考えられています。