アメリカとフランスの仲介の努力が実り、イスラエルとヒズボラが停戦となりました。今後60日間かけてイスラエル軍はレバノンから撤退を進めるわけですが、ネタニヤフ首相は「裏切り行為があれば即座に攻め込む」と明言しています。事実、停戦後にイスラエル側はヒズボラに停戦協議に違反するような行為があったとして空爆をしています。今回の停戦はヒズボラがイスラエルとの国境から北に約30キロにあるリタニ川の北まで撤退し、その30㌔地区はレバノン軍と国連レバノン暫定軍が監視を行うというものです。ヒズボラはレバノン正規軍より大きな規模とされ、正規軍の存在が薄かったのですが、今回の協議でレバノン政府がこの停戦に大きく踏み込みその責任を負う形となっています。

イスラエルとしてはガザとの二面作戦が大きな負担となっていたこと、さらにはイランの直接的関与が増えてきている中で体制を整えることがあるでしょう。その意味で今回の停戦はヒズボラが無謀な行動に出ない限りイスラエルを利するとみています。言い換えれば「イスラエルはやっぱり強かった」とも言えます。イランはイスラエルに直接的行動はしにくいとみています。イランの軍事力がさほど強力という評価は少なく、経済も制裁続きで疲弊しており、金がかかる軍事行動をやる余裕はないでしょう。更にトランプ氏は明らかにイスラエル側に立ち、イランにはどんな厳しい経済制裁でも平気で課します。そのリスクをイランがとれるとは思えないのです。

とすれば2025年の早い時期にイスラエル問題は終息するのではないかとみています。今後はガザの再建とその責任者をどうするのか、国際社会がパレスチナをどう処遇していくかあたりが焦点になると思います。サウジアラビアあたりがその和平と再建に加われば当面の安定感は生まれると思います。思うにトランプ氏は「バイデンがまとめられなかったイスラエル問題を俺が片付けてやったんだ」というでしょう。言うのは勝手、まずは和平、そして非常に面倒になっているウクライナ問題にそろそろけりをつけてもらいたいところです。

ポイント経済はもう古い?